米国がUNIDO総会に出席か --- 長谷川 良

アゴラ

バット・ニュースが続いてきた国連工業開発機関(UNIDO)に久しぶりにグット・ニュースが飛んできた。12月2日から6日、ペルーの首都リマで開催されるUNIDOの第15回年次総会にひょっとしたら米国が使節団を派遣するかもしれないのだ。

▲新UNIDO事務局長に選出された中国人の李勇氏(2013年6月24日、撮影 )


米国は1996年、オーストラリアについでUNIDOを脱退しているから、総会にはオブザーバーとして参加する。米国だけではない、英国やオーストラリア、カナダも同様に参加を検討しているというから、UNIDO関係者は椅子から転げ落ちるほど驚き、歓喜している。

米国は脱退当時、「UNIDOは腐敗した機関」として分担金を払わず一方的にUNIDOから脱退した経緯がある。ちなみに、米国はUNIDOに対して1994年から1996年まで約6900万ドルの分担金未払いがある。

何故、米国は腐敗したUNIDOの年次総会に顔を出そうとするのだろうか。国連外交筋は「腐敗の泥沼にあったUNIDOの新事務局長に中国人(李勇氏)が選出されたからだろう。米国は中国事務局長が主導するUNIDOに関心が出てきたわけだ。中国側からも米国にUNIDOに戻ってきたらどうか、といった誘いがあったかもしれない」と受け取っている。

当方は中国のアフリカ政策に米国が警戒しだしたからとみている。UNIDOは開発途上国の工業開発を支援する専門機関だ。その主要エリアはアフリカ諸国だ。その点、中国はアフリカ諸国に久しく根を下ろして活躍している。アフリカ大陸には既に100万人の中国人が常駐し、働いている。中国の狙いはアフリカ大陸の豊富な地下資源だ。UNIDOのトップを握った中国はこれまで以上にアフリカの開発に関与してくるだろう。

米国がUNIDOへの関心を呼び起こしてきた背景には、アフリカ大陸の資源を中国に一人占めさせない、という警戒心が働いているはずだ。オバマ米大統領の先月末のアフリカ3か国訪問(南アフリカ、セネガル、タンザニア)もその一環だったはずだ。その意味で、米国はUNIDO再加盟の可能性を視野に入れてUNIDO総会へ参加する可能性があると予想できる。


編集部より:このブログは「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2013年7月19日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。