とあるAV女優のお話から学ぶ --- うさみ のりや

アゴラ

今日はタイトルの割にまじめな話です。

昔からの知り合いに割と売れっ子のAV女優がいます。グラビアアイドルから徐々に落ちていったくちで、学生時代は皆の憧れだったので彼女がそっちの世界に行った時は結構ショックだったのですがなんとなくご縁が復活して、たまーに一緒に飲んだりお茶したりします。で、この前彼女が「私ももっと早く整形すべきだった。なんであの時しなかったのだろう。」というようなことを言っていました。


元々相当な美人なので、「なんでそう思うの?」と聞いたら答えが意外で、「身を守るためには整形するしかなった」、ということだった。どういうことかわからなかったので詳しく聞いてみたら、「所詮AVの仕事は自分を少しずつ切り売りする仕事。続けていれば徐々に視聴者が求めるものが過激になっていくのは避けられない。そんな中で、『整形する』というのは貴重な飛び道具で、整形してイメージを転換すれば一度リセットされて、またソフトな路線からやり直して激しいことをせずに済む。」ということだった。なるほどな~、と思わせる回答だった。彼女曰く「売れてるときほど整形すべき」とのこと。

彼女の場合は整形せずに同じイメージのままで仕事を続けた結果、売り上げが落ちた始めたころからどんどんハードな路線に身を沈めることになって、他方でそれなりの売れっ子なのでもはや引き返せないという状況になっていた。まぁ口ではいろいろ取り繕いつつも八方ふさがりで人生やり直したい感が満載の状況ってところです。でなんで、こんなことを書こうかと思ったのか、っていうことなのですがどんな業界もマーケティングというのは大切なんだな~、と思ったからです。この話を聞いてみて思ったのはマーケティングでいう「計画的陳腐化」という言葉です。ウィキペディアだと 【計画的陳腐化とは、新製品を市場に投入するにあたって、旧製品が陳腐化するように計画することで、新製品の購買意欲を上げるマーケティング手法のこと】 なんて解説されています。

AV女優ってのは文字通り身を売る仕事なのだからら、売れている間に2年~3年単位で計画的に出演して「それでもってこれ以上やったらやばいな」と思ったら、整形するなり化粧変えるなりしてイメージ転換を図っていかないと、どんどん自分を安売りして身を削る羽目になるってことをその知り合いを見て感じたわけです。個人的に「この娘整形する前の方が可愛かったのにな~」と思うようなAV女優がいて「なんで整形したんだろ」(以下右左画像参照)と思っていたのだけれど、この話を聞いて納得しました。ちなみにその知り合いは彼女のことを「大変頭がいい。無計画だった自分との差を感じる。」と絶賛してました。自分を守るためにはイメージを変え続けるしかないし、やっぱり頭がいい人が生き残るんですね。そしてこれは別にどの業界でもキャリアプランを考える上で重要なことなんじゃなかろうかと。「脂がのっているときほど、計画的に違う分野へ向かって動き出せ」っていうところでしょうか。

それでは今日はこんなところで。最近堅い話が続いてのでたまには下世話な話でもしてみようということでした(笑)


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年7月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。