「元祖」論争の不毛

アゴラ編集部

世の中には「元祖」とか「本家」とかで争ってる飲食店がよく存在します。たとえば、静岡県の三島市にある鰻屋さんにも「うなよし」という店名の店が二つあって長く争ってました。富士山の伏流水で鰻の泥を吐かせるため、三島の鰻料理は定評がある。筆者は両方とも行って食べたことがあるんだが、どっちもタレの味が似ていて美味しいです。しかし、こないだ長年の確執に終止符を打ち、かつて「本町うなよし」としていたほうの店が店名を変えた。これは画期的なことでしょう。


だいたい、どっちが元祖とか言い争っていても、客にすれば不毛な話です。場所も定休日が違うので都合によって通えばいい。人によっては贔屓の店があるんだろうが、ほとんどの客にとってどうでもいい。そもそも鰻の味付けに「元祖」も「本家」もありません。ことほどさように「起源」説などというものは、あまり意味のないものが多い。韓国の人たちが唱える「韓国起源説」にしても、ほとんどは無視されています。東アジアにおける朝鮮半島の地理的な位置関係を眺めれば、あちこちからいろんなものが流入し、流出していったことは予想できるとしても「黄河文明や漢字を朝鮮民族が作った」というのは噴飯物です。

9月2日、広島大学名誉教授の小林芳規氏らの研究グループが、8世紀半ばに朝鮮半島の新羅で書かれ、日本へ伝えられた東大寺所蔵の重要文化財「大方廣佛華厳経」に日本のカタカナの起源を発見し、カタカナは新羅で発明された可能性がある、と発表しました。小林氏は以前から「カタカナの起源は朝鮮半島」という主張を唱えてきた研究者。ひらがなはカタカナとは別に考案された表記法なんだが、カタカナのほうが先、という説もあり、ひらがなへの影響は少なからずあった、と考えられます。しかし、ハングルがいかに合理性に富んだ表記法とはいえ、カタカナの痕跡は全く見られない。その後、漢字とカタカナ、ひらがなを混在させつつ発達してきた日本語と比べれば、その差は歴然。ひょっとすると小林氏が主張するように、カタカナの起源は朝鮮半島かもしれないんだが、彼らはそれを進化利用せずに捨て去ってしまった、というわけです。

NEWSポストセブン
冷やし中華の起源店は神田か仙台か? ラーメン評論家が解説


アリアン5 ECAロケット、通信衛星2機を打ち上げ
sorae.jp
こないだJAXAは小型ビジネスロケット、イプシロンの打ち上げを延期したんだが、大型ロケットH-2Bのほうは8月4日に宇宙ステーション補給機の「こうのとり」4号機を乗せて無事に打ち上げを成功させています。今年度中に再度「こうのとり」5号機を打ち上げる予定。H-2Bは初打ち上げから連続4回成功してます。軌道への投入能力は静止軌道の場合、約8トンまで可能。打ち上げ費用は約150億円です。この記事では、フランスのアリアン5がインドの衛星を打ち上げた、と紹介。アリアン5のECAタイプは42回目の打ち上げであり、シリーズを通しての打ち上げ成功は連続57回目です。打ち上げ能力はH-2Bとほぼ同じ8トン。費用は数十億円から100億円程度まで幅があるんだが、H-2Bよりも安い。さらに、ロシアのプロトンは最高でも70億円弱で打ち上げることができるようで、米国のファルコンはさらに安くなるらしい。航空機を使った安価な宇宙空間飛行技術が進化し、衛星打ち上げを含めたロケットによる打ち上げは「すでに時代遅れ」とも言われています。日本のアドバンテージは技術力だけのようですし、今後、ロケットビジネスがどうなっていくのか、要注視、といったところです。

「まとめ」を『ネットの総意』と信じた結果wwwwww
KANISOKU FANTASY
これは、知ってる人にとっては「当然」のことです。しかし、確かに「まとめブログ」や「togetter」、「NAVER」なんかを既存のメディアと同じように読んだり感じたりしている人は意外に多そうだ。ちょっと読めば、このブログで紹介されているように、掲示板の投稿連番が抜けていたり文字強調などもないのに存在したり、といったことに気づきます。気づいた時点でどう思うか、が重要。そこに記事作者の意図が反映されていることがわかった時点で、ある程度の自分なりのフィルターをかけるべきです。そのまま鵜呑みにするのは危険。ネコの好き嫌いならまだしも、これが社会的な重要問題だったら「誘導」の可能性が高いです。

給与や報酬は「辛い思いをした対価」ではない
頭の中に思い浮かべた時には
そもそも「労働」とはいったい何か、ということを考えさせてくれるブログです。労働の対価として報酬をもらう、というのは当たり前のことなんだが、無報酬の労働、というのもある。「仕事」はすなわち「労働」ではありません。また「労働」は、必ずしも報酬を生み出すものではないし、必ずしも価値を生み出すものではない。逆に、報酬や価値を生み出す行為を「労働」といい「仕事」というのだ、という話もあります。一方では「労働」や「仕事」は辛く厳しく苦しいものだ、と大前提のように振りかざす人もいる。誰だった楽しく愉快に働きたいと思っています。

Macオーディオ同人誌「Mac Audio Explorer Vol.2」 USBポートを変えると音も変わる
アキバBlog
これはMacBook AirのUSBポートについて書いている記事の紹介なんだが、同じアップルのノートパソコンMacBook Proのオーディオ出力が光デジタル端子になってます。端子の形が丸形なので、一見すると普通のアナログオーディオ出力のように見えます。これで聴くと「なんとなく」違うような気がする。ここで考察しているような微妙な差異は、加齢によって今の筆者にはたぶんわかりません。


アゴラ編集部:石田 雅彦