「慰安婦問題」の記事を読むたびに実証的に事実を探求する日本人の真面目さにはつくづく感心するが、韓国と言う国を日本的常識で判断して良い物だろうか? と言う疑念も湧いて来た。
韓国は独立後の大統領歴任者10名の中で、7名の大統領が退任後に本人又は親族が破廉恥罪で有罪になったお国である。
政治家に不正がつき物なのは万国共通だとしても、トップがこれだけ嘘つき揃いの国も珍しい。
その為もあり、韓国の大統領の大仕事の一つは腐敗から国民の目をそらす話題捜しだが、日本のトップペーパーである朝日新聞が「日本軍が慰安所の設置や、従軍慰安婦の募集を監督、統制していた」と言う記事を載せたために、待ってましたとばかり反日キャンペーンの目玉商品として利用されてしまった。
朝日の記事が出た当時の韓国は、盧 泰愚大統領の任期が切れる直前で、その後任の金泳三大統領は「日本のポルジャンモリ(ばかたれ)の悪い癖を直してやる!」と言ってはばからない反日派であった事も不幸な巡り合わせであった。
殆ど読書をしない事でも知られた金泳三大統領が「朝日の記事」の真偽に関心がある訳もなく、この美味しい「Made in Japan」の記事が、いくばくかの「賠償金」稼ぎになり「反日風評」として役に立てば良かっただけの話である。
当初は日韓両国の紛争に留まっていたこの問題も、韓国の国力の向上や米国で韓国移民が飛躍的に増えるに従い様相は一変し、国際問題として浮上して来た。
米国では、ネイルサロン、クリーニング店、食料品店など客の出入りの多い企業の経営者や従業員に韓国系の移民が多く、彼らの「口コミ」は「風評宣伝隊」として格好の存在で、その力は日本の外務省が逆立ちしても適わない。
更に、米国各地にある韓国系教会での日曜礼拝で「日本の暴虐で受けた韓国人の被害」を強調する牧師さんのお説教に興奮した韓国系移民が、「日本の人権侵害を反省させろ」と地元選出の政治家にかける圧力も馬鹿に出来ない。
つい最近発表された、パブロ・デ・グレイフ国連特別報告者の「日本に十分な謝罪を求めた」報告書も、歴史的事実とは関係ない「風評」に押されたものに違いない。
この背景を考えると、風評被害を防ぐには「正直で正確な情報を積極的に公開するのが賢い方法」だと言う一般論は通じない。
それではどうしたら良いか?
韓国の様に移民や教会の力を活用出来ない日本は、山火事の延焼を防ぐ「迎え火」の様に、韓国の信用力を低下させる「逆風評」で対抗すべきだと思う。
実証的事実は物語性に乏しい上に細かすぎて退屈だが、「風評(空気)」は面白い物語性といささかの誇張があれば自然に広まって行く。
韓国目当ての「逆風評」の題材は山程あるが、橋下市長が指摘したベトナム戦争で派遣された韓国軍が「慰安所の設置や、従軍慰安婦の募集を監督、統制していた」ことは韓国の新聞も認めており、韓国人兵士の現地ベトナム人女性の強姦などで生まれそのまま置き去りにされた混血孤児「ライダイハン」の悲劇などと共に第一の題材として取り上げるには極く適していると思う。
韓国はベトナム戦争が終了した後も、東南アジアの女性を拉致して売春宿に売ったり、韓国に出稼ぎに行ったカンボジャやフィリピンの女性が虐待に耐えられず故国に逃げ帰る事が多発し、両国政府が韓国政府に再三抗議している。
韓国の様に風評宣伝隊になる移民を持たない日本だが、「漫画」「アニメ」「ユルキャラ」などの世界も羨む宣伝媒体を持っている。
韓国の蛮行を漫画やアニメで取り上げ世界に発信する事や、「逆風評」の題材を象徴する「ユルキャラ」を公募してネット販売して支援資金にする事も有効ではないかと思う。
更に一歩進め「韓国軍用の元ベトナム慰安婦」の生活支援やDVの防止「ライダイハン」の救済などを目的とした「新女性基金」を民間で設立して犠牲者の救済に当たれば、日本の評価は高まり韓国の信用力が傷つく事は間違いない。
ネットも重要な宣伝媒体だが組織的な動きに難点がある事と、国際舞台では言葉の障害や寸鉄人を刺すユーモアーや風刺になれない日本人の得意科目にはなっていない。
「逆風評」の意味には、日本人の持つ韓国イメージを多くの外国人に共有して貰う事もある。
例えば「スープに蝿が入っていたら?」と言う題でこんなジョークを作ったとしよう :
ドイツ人 :「充分に殺菌されている」と冷静に考え、蝿を取り除いてから、スープを飲む。
フランス人 : スプーンで蝿を潰し、出汁をとってからスープを飲む。
中国人 : 問題なく蝿を食べる。
イギリス人 : スプーンを置き、皮肉を言って店を出る。
ロシア人 : 酔っ払っていて、蝿が入っている事に気が付かない。
アメリカ人 : ボーイを呼び、コックを呼び、支配人を呼び、あげく裁判沙汰になる。
日本人 : 周りを見回し、蝿が自分にだけ入っている事を確認して、そっとボーイを呼ぶ。
韓国人 : 蝿が入っているのは日本人のせいだと叫び、日の丸を焼く。
このジョークを読んだ外国人が「韓国人は感情的で理不尽な反日家」だという印象を持てばジョークが通じた事になる。
短い言葉で「風評」に対抗する手段には「風刺」もある。
フランスの週刊紙「カナール・アンシェネ」が「損壊した原発の前の土俵で3本の腕や脚がある力士が向かい合い、その横でスポーツ解説者が「すごい、福島のおかげで相撲がオリンピック競技になった」とコメントしている漫画を掲載した事が問題になっているが、風刺となると如何に大袈裟であろうと効果的な反論は難しい。
日本政府が抗議しても「その様な意図はない」と一蹴されるのは目に見えており、その一方「原発事故を越した日本は今も危ない」と言うイメージだけが残るややこしい相手だ。
「逆風評」としてネットで使えそうな手段には風刺の他にも、揶揄、ユーモア(上品な洒落)ウィット(機知、機転、頓知)ジョーク、皮肉、サタイア(風刺)パロデイー、など色々あるが、これ等の使い方は永くなるので次の機会に譲りたい。
2013年9月16日
北村隆司