日露戦争(1904~1905年)で日本が勝てた理由はいくつかあります。その一つが日英同盟の存在。英国は当時、欧州では伸長するドイツ帝国の圧力を感じ、ボーア戦争やら中東、インドやら世界中で紛争を抱えていた。もう手一杯、といったところで、特に中東やインド、中国におけるロシアの南下に悩まされていました。
そこで、英国は1902年に日英同盟を締結し、1904年にはアフリカにおけるフランスとの植民地争奪競争を一休みさせるべく英仏協商を結びます。さすがに英国、両面作戦の愚は冒さない。ロシアの南下政策が、インド洋のみならず極東へも侵攻し、朝鮮半島をロシアが抑えれば、その後は中国においてロシアは英国の強力なライバルになる。それを避けたい英国は、日本をロシアに対する噛ませイヌにしようとし、日露戦争時には陰日向に援助したわけです。
この構図は今や、英国が米国に、ロシアが中国に代わっています。財政的に苦しく国内に厭戦気分が広まっている米国は、これ以上、世界中に軍隊を展開し、血を流したくはない。日本に集団的自衛権の見直しを迫っているのもこのためでしょう。ただし、日本という国はヤバい刀みたいな国だ。日露戦争後に朝鮮半島はおろか、中国大陸深くへ侵攻し、さらには米英にまで刃向かおうとしたように、扱いは慎重にしなければならない。あまり力をつけさせ、軍事的に調子づかせてはならない。そうした認識をたぶん欧米は今でも共通に持っているんだと思います。
韓国や北朝鮮などというのは、分断国家であり、しょせんは大国に挟まれた小国です。右顧左眄しながら処世術を駆使し、ここ千年ほどを生きながらえてきた。これは地政学的にどうしようもない現実であり、朝鮮半島全体が中国の支配下に置かれ、共産化する、というのも非現実的な話ではありません。実際、つい百年前まではずっとそうだったわけで、中国にしてみれば「昔からアソコはうちの縄張り」といった感覚を持っていたとしてもおかしくない。朝鮮半島支配について言えば、米国はもちろん日本も新参者です。
国際政治において「民族自決権」という「理想」が「幻想」になるのはありがちです。南北朝鮮の人たちが望んでいることを、彼らが自分で決めたいと考えてもなかなか難しい。自決権を手にするためには日本を敵に回すのは損だと思うんだが、愚かにも彼らはそうしない。いずれにせよ、日本と日本人は朝鮮半島が共産化されようとしたとき、果たして手をこまねいて見ているのか、米国の思惑もあり、ハッキリ決めているとはとても思えません。中国が朝鮮半島へ出てき、米国が戦わずに退いたとき、日本はどう行動するか、今から議論しておいたほうがいいのかもしれません。
株式日記と経済展望
米国は再び韓半島を日本に任せて管理すると考える可能性があると憂慮している。韓国日報
右翼政党が支持を伸ばす
壊れる前に…
フランスの世論調査について書いているブログです。サヨクウヨク、という表現はフランスが発祥の地。どこまでいっても相対的なもんです。より右に座ってたら右派になる。フランスにおける左派と右派は不倶戴天の敵、とまではいかないんだが、ナチス時代の遺恨も引きずったりして複雑です。ナショナリズムはナチズムに通じる、というわけで、EU各国では移民について議論が沸騰し、いわゆる右派が移民を排斥する政策を唱えています。ノルウェーではキリスト教原理主義者が連続テロ事件を起こし、百人近くを殺傷している。日本でも「ヘイトスピーカー」が在日朝鮮韓国人を排斥しようと動き始めました。ネトウヨが大好きな安倍首相は全体主義者なんでしょうか。
政府から聞こえてくる、10%消費税増税を巡る奇妙な不調和
極東ブログ
なんとも消費税が8%になったときの感じが予想できないんだが、やっぱり「うわ高っ」とかなるんでしょうか。高額商品は大変ですね。100万円の買い物が108万円になっちゃうんですよ。1000万円だと1080万円。80万円とか、どうよ。5%時代より30万円も余計に払わなきゃなりませんな。自営業者も大変で、一年かけてコツコツ入ってきた預かり税を決算後にいっぺんで持ってかれちゃう。これが10%になったらどうなるんでしょう。輸出関連の大企業なんかは、輸出戻し税で下請けに転化させた消費税分が戻ってくる、なんて話もあるんだが、本当のところはよくわかりません。輸出戻し税分を大企業が下請けへ戻していない、というのはアリなんでしょう。日本的「系列」の下請けなんてそんなもんです。輸出戻し税には誤解があるんだが、大企業が優遇されることに変わりはありません。
ボットと言う自動プログラムが蔓延っている!
マックンの気まま日記
Twitterの自動化つぶやき機能、いわゆるボットについて書いているブログです。米国のTwitterが株式を公開し、巨額の資金を調達したことに絡み、Twitterの利用者は本当に見積もり通りなのか、さらにボットのような機械にネット上の情報が左右されているのかもしれない、と警鐘を鳴らしている。ちなみに「蔓延る」の「蔓」は植物の枝や茎、ツルとかヒゲのことです。同じような意味の「猖獗を極める」の「猖獗」は「悪い病気が猛り狂う」こと。悪い病気というのはコレラや赤痢、天然痘、ペストといった一種の「瘴気」みたいなもんです。
人民元改革:為替操作で自壊する中国経済。
スロウ忍ブログ
どうも「中国経済」というのは実態がつかめません。資本主義じゃないんだから当然です。社会主義の一党独裁計画経済が根本にあるんだから「神の手」なんてない。経済や金融はコントロールすべき、という発想でやってるので、日本みたいに日銀引き受けがダメ、というようなことはありません。自国以外の諸外国が「自由経済」なので、中国はなんとかゴマカシながらやってきた。しかし、今の米国が、債務の法定上限引き上げで揉めているように演じているのはこうした中国への牽制、という話もあります。
アゴラ編集部:石田 雅彦