FC2と著作権とヤミ経済との付き合い方 --- うさみ のりや

アゴラ

さて我が国がいわゆる「韓流」をはるかに越える規模で世界を席巻しているクールジャパン産業と言えばよく悪くもアダルトビデオ産業なのですが、映倫・ビデ倫をはじめとする同業界の7つの団体が、本社・サーバーをアメリカにおいて権利者に無許可で映像を利用した会員制ビジネスを展開するFC2動画をついに訴えました。

業界が業界だけに従来から取り締まりが甘く、また法制度の違いやサーバーを海外に置いて責任を逃れる悪質な方法もあってAV業界の知的財産は破られ放題な状態なのですが、2012年の民事訴訟法改正で国内でサービスを行ってる場合に国内に支店がなくても日本で国債管轄の裁判が出来るようになった事で、状況が大きく変わりつつあります。

残す課題としては、そもそも韓国や台湾でAVに著作権が十分保護されていないというセンシティブな問題がありまして、他方で年間数百億円規模の損害が垂れ流しという状態このまま放置するのは業者も業界関係者も気の毒なので、この辺に関してもどのようなロビイングを進めていくかなんとなく注目したいと思っています。少なくともスポットの連携では相手にしてもらえないため意を決して業界が大同団結で設立した知的財産振興協会は少しずつ成果を上げつつあるようで、今度関係者の話でも聞きにいってみようかなと思っています。

こんな話題を書いたのも、世界中で、脱税、海賊版販売、ヤミ金、麻薬、売春、といった地下経済が拡大中ということで、日本としてもそろそろこうした分野を「タブー視」して、警察に任せてばかりもいられないと個人的には考えているからです。一般に地下経済の規模は、税率、規制の度合い、失業率、政府の徴税力、などに依存すると言われており、これから消費税率も失業率も上がっていく事が見込まれる日本としては当然対策が求められる事になりそうだからです。ちなみに財政破綻をした国は徴税力が落ちてヤミ経済の規模が跳ね上がるということは、かなりの確度を持って言えることなので日本も将来その仲間入りするかもしれません。ちなみに徴税によらなくても、カジノはヤミ経済で補足されなかったお金を回収する手段としてはかなり効果がある手法だそうです。

そんなわけで当ブログではしばらくヤミ経済についてちょこちょこ研究していきたいと思います。

ではでは本日はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年10月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。