米国流オンライン婚活の助っ人とは? --- 安田 佐和子

アゴラ

中国で11月11日といえば、「シングル・デー」。1が4つ重なるからだなんて、分かりやすいですよね。その日は、中秋節とクリスマス・デーの谷間に売上が鈍化することから、中国Eコマース最大手アリババが運営するTモールおよびタオバオで「11.11ショッピング・フェスティバル」を開催する日でもあります。魅力的な値引きに反応し独身を謳歌するためのツールや自分へのご褒美を購入するためか、中国の消費者は財布の紐を緩める傾向が高いんだとか。

WSJ紙によると、2012年では売上高がこの1日だけで31億ドル(3070億円)! ブラック・フライデー(米国感謝祭明けの金曜日、大型セールが開始する日)の14億6000万ドル、サイバー・マンデー(値引きを受けネットでの買い物が盛り上がる日)の10億4000万ドルの合計額を、ゆうに上回るんです。さすが人口13億人の中国、恐るべし……。

シングル・デーで大口ショッピングを楽しむ独身者には、こんなツールをぜひ紹介したい。

婚活・マッチング関連サイト大手eハーモニーは、クリスマスや年末を控えパートナーを探す独身者の「助っ人」提供を開始したんです。新たなプレミアム会員向けサービス「eH+」では、単に相性が良さそうな相手を検索・コンタクトできるだけではありません。アルゴリズムを駆使して、有望候補を見つける?そんなのは朝飯前です。

新たなサービスでは、マッチメーカーともいうべきカウンセラーを雇うことができるんです。電話やスカイプを通じ、会員はカウンセラーに過去の恋愛経験を分析され、映画「最後の恋の始め方(Hitch)」よろしく恋の手ほどきを受けられ、パートナー選びに協力してもらえます。最大の利点は、これでしょう。カウンセラーを通じて、またはカウンセラー自らが候補を絞ってデートを申し込むため、仮に相手が拒否しても本人は知らなくて済むこともあるんです。拒絶のショックを回避あるいは緩和できるため、傷つきやすいあなたにはもってこいですね。少なくとも、Tシャツよりは断然効き目がありそう。

ウィル・スミス演じる恋愛カウンセラー、オンラインや電話で利用できるんです!

eハーモニーのアルゴリズムは性格・タイプを重視する傾向が高い分、外見・相性といったコンピューターで補いきれない部分を埋める効果も、期待できるんですって。eハーモニーの顧客サービス部門のヴァイス・プレジデントであるグラント・ラングストン氏は、「2014年末には1000人の顧客が見込める」と強気です。

年収25万ドル(2450万円)の会員1万5000人を対象に行った調査で高い需要があったという、こちらのサービス。気になるお値段は年間5000ドル(49万5000円)也。通常料金の月50~60ドル(4950~5940円)に5000ドルのプレミアム、運命の相手と出会うための出費と割り切れば、高くない?こんな数字をみると、ニューヨークの女性なら気前良く払えそうな金額かもしれません。シングル向きの都市を調べて引越しするよりは、安上がりです。

アメリカでのオンライン・デート最新動向をみてみましょう。ピュー・リサーチ・センターの調査によると、アメリカ人の10人に1人がマッチング・サイトを利用した経験アリと回答していました。実際にオンラインで知り合った相手とデートした、との回答も66%と過半数をゆうに超えています。結婚相手あるいは長期的パートナーと出会えたとの回答は、23%。アメリカでは、マッチング・サイトがいかに盛んかがうかがえます。

2005年と2013年と比較して、オンライン・デートの好感度は上昇。

(出所: ピュー・リサーチ・センター)

ただし、オンラインならではの問題も浮かび上がっているんです。自分のプロフィールに対し、他人が大きな勘違いをしたとの回答は54%と過半数に達していました。現実とオンラインのギャップをマッチメーカーの技で埋められるのか、気になるところです。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年11月12日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。