モースが見た日本 ~ 明治初期へタイムスリップする企画展

アゴラ編集部


※克明几帳面に当時の様子を日記に記録していたモースの言葉も展示されている。

会期が12月8日(日)までなので急いで紹介したいのが、東京の墨田区両国にある「江戸東京博物館」で開催されている「明治のこころ モースが見た庶民のくらし」という展示です。モース、というのは、大森貝塚を発見したことで有名な米国人エドワード・S・モースのこと。今回の展示は、マリタイム博物館として有名な米国マサチューセッツ州にあるポーボディ・エセックス博物館などに所蔵された彼のコレクションをまとめたものだそうです。



※モノクロ写真に彩色した「人着」で表現された明治期の少年少女たちの写真。

モースが最初に日本へ来たのは、1877(明治10)年6月、ということで、まだ「江戸」の名残りがそこかしこにあったころです。彼は、シャミセンガイなど、原始的な貝類である腕足動物の研究者で、日本には多種多様なシャミセンガイの仲間がいるらしい。その研究のために来日し、東大で生物学を教えたりしていたそうです。政府に標本の採集許可をもらうため、横浜から新橋へ汽車で向かったんだが、その途中、大森あたりを通過している際に車窓から貝塚を発見し、これが日本における西洋式の近代考古学研究の嚆矢となったわけです。

※モースは日本の子育てにかなり感銘を受けたらしい。

この大森貝塚、長くその正確な所在地が不明なままで論争になっていました。記念碑も品川区と大田区の二カ所にある。論争に決着がついたのが1984(昭和59)年というから、モースも長い期間、気を揉んでいたことでしょう。大森は大田区になるんだが、この結果、実際の貝塚は品川区、ということになりました。ただ、大田区立郷土博物館とモースのコレクションを所蔵しているピーボディ・エセックス博物館は、大森貝塚の縁で姉妹館提携しています。

※提灯を貼るための枠型。今では貴重になったこれら文物が展示されている。

さらに、大森貝塚を発見したのは誰だったのか、についても論争があります。有名なシーボルトの次男、ハインリッヒ・フォン・シーボルトという人も「自分が最初に見つけた」と主張し、実際、発掘調査をモースよりも先に行っていたらしい。何やら揉めごとの多い遺跡です。今回の展示では、モースが観察した明治初期の東京庶民の生活が紹介されています。これがとても興味深い。「明治は遠くなりにけり」と言ったのは俳人の中村草田男だったんだが、彼がこの句を詠んだのが1931(昭和6)年。戦前でも遠いわけで、今からさかのぼるともう異次元ですな。


「明治のこころ ─モースが見た庶民のくらし」
会期

平成25年9月14日(土)~12月8日(日)

会場 江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1) 
電話番号:03-3626-9974(代表)

  •  ・JR 総武線「両国」駅西口、徒歩3分
     ・都営地下鉄大江戸線「両国駅(江戸東京博物館前)」A4出口、徒歩1分 
     ・都バス:錦 27 ・両 28 ・門 33 ・墨 38 系統・
      墨田区内循環バス「すみだ百景すみまるくん・すみりんちゃん (南部ルート) 」
      「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3分
開館時間 午前9時30分~午後5時30分

(9月28日(土)までは、土曜日は午後9時まで。10月5日(土)からは、土曜日は7時30分まで) ※入館は閉館の30分前まで

休館日 月曜日(ただし9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)は振替休館

※このブログで紹介している写真は、江戸東京博物館より特別許可をいただいて撮影したものです。

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ここでは、成功する人は朝の8時までに何をしているか、というフォーブスの記事を紹介しています。まず、朝日を浴びることは大事です。脳下垂体の視床下部が日光を感じ、体が目覚めます。で、ストレッチや腕立て伏せなど軽い運動をする。さらに一日のスケジュールをチェック。こうした「可視化」の作業をすると良い。また、健康的な朝食を食べるのも重要でしょう。これらは、その日にやらなければならないことから逃げないためにどうするか、といった準備や心構えのための作業らしい。ストレスを上手にかわし、一日を始めることができれば、あなたも成功者になれる、というわけです。

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ドイツのミュンヘン工科大学が、スマホで閲覧可能なタクシーなど商用車の追跡アプリを開発した、という記事です。130「隻」の「艦隊」という表現をしてるんだが、130のアイテムを追跡することができるらしい。特に電気自動車を経済効率的に運用するために便利だそうで、充電器をどこに何台設置するのがいいか、分析するためにも利用できるようです。


アゴラ編集部:石田 雅彦(写真も)