「上野東京ライン」は首都圏の鉄道移動をどう変えるか

アゴラ編集部

今年開業130年を迎えたJR上野駅といえば、長く「北の玄関口」と呼ばれてきました。年配の方には上野駅広小路口に歌碑もある井沢八郎が歌った『あゝ上野駅』が、またオッサン世代には石川さゆりの『津軽海峡冬景色』がなじみ深い。また駅構内や駅前商店街には石川啄木の歌碑もあります。こうした切ない旅情や叙情、故郷への慕情を感じさせる駅は上野駅のほかにありません。「建物財産票 本屋1号 昭和9年」というプレートが玄関の右側柱にあるように、今なお昭和テイストが色濃く残っている。しかし、最近の楽曲で上野を歌ったものは多くありません。アレは花見の歌なんだがエレファントカシマシの『上野の山』くらいか。少ないです。


上野駅と言えば、地上3面5線、高架2面3線、櫛形島式の頭端式ホームが特徴でしょう。都内にはほかに東武東上線の池袋駅とか小田急新宿駅なんかも同じ形式のホームなんだが、上野駅のホームにはどこかもの悲しさが漂っています。上野発の列車は、東北本線の寝台特急「カシオペア」や「北斗星」、奥羽本線の寝台特急「あけぼの」、上越線の特急「水上」や「草津」など、常磐線の特急「スーパーひたち」などなど。別に丑寅の方角にあるからじゃないんだが、この特急の名前を読むだけで、北へ帰る無口な人たち、というのが目に浮かんでくるから不思議です。

そんな上野駅が、2015年3月から単なる通過駅になりそうです。これはJR東北線や常磐線が上野から東京駅が終着駅になり、さらに東海道線と直結するためで、これにより現在の新宿湘南ラインのような「上野東京ライン」が設定されることになります。アゴラがある神田駅でも頭上で工事が続けられているんだが、山手線や京浜東北線らの在来線の上、新幹線の線路のさらに上にこの「上野東京ライン」を通す高架が作られています。

ついこないだ、東急東横線の渋谷駅も頭端式ホームがなくなり、通過するだけの駅になり果ててしまったんだが、都心を「通貫」する鉄道が多くなってきました。首都高の場合は都心を迂回路する路線が整備されている一方、鉄道は一気通貫を目指す、というわけです。これにより横浜、新宿から大宮へいたる首都西側に次いで東側での縦貫路線が拡充されることになります。首都圏の鉄道移動に大きな影響が出ることは当然で、利便性は確かに向上するでしょう。しかし、窓が開かない列車も増え、だんだん鉄道の旅に旅情や叙情が薄れていく気もします。

気ままな旅鉄人のブログ
JR上野東京ライン 15年春開業へ、1時間当たり15本


How to Prevent Accidental Conflict in the East China Sea
THE DIPLOMAT
中国が防空識別圏を設定して国際的に非難を浴びている東シナ海で、どうすれば偶発的な軍事衝突が起きないようにできるか、という記事です。日本と中国という世界経済の規模で2位と3位の国同士が戦争になれば、自動的に米国も巻き込まれ、世界経済の1位から3位までが戦時状態という異常な事態になりかねません。この記事の提案では、尖閣諸島に「平和ゾーン」を設定したらどうか、と書いています。二国間のリーダーの話し合いが大前提。しかし、いずれ水掛け論になるでしょう。結局、領土問題では異例ながら、国連あたりが乗り出さないとダメなのかもしれません。

伊400発見:さらに未発見の潜水艦も
ナショナルジオグラフィック日本版
戦前の日本の潜水艦技術はけっこうバランスが悪く、これはどこの国の潜水艦でも同じなんだが、帯に短したすきに長し状態だったようです。ドイツのUボートが主に通商破壊の任に着いていたのに比べ、旧日本海軍の場合、技術はともかく特に潜水艦の運用の面で失敗していた、と指摘する人も多い。また、日本の潜水艦は、艦隊に付属できる速度や航続性が求められ、大型化や哨戒性能の高さ、潜水空母としての航空攻撃力、という当時としては無理ゲーな要求で四苦八苦していました。潜水艦のライバルは駆逐艦なんだが、旧日本海軍の駆逐艦で米海軍の潜水艦に沈められた艦はけっこう多い。このへんも運用の違いだったようです。

エンジニアの成長と反抗期
外道父の匠
「理系」の世界で無菌状態の隔絶された世界ですくすく育った人というのは、けっこう社会へ出てから人間関係なんかに悩んだり苦しんだりするようです。学生時代はずっと研究室に閉じこもり、衣食住がすべて大学ですませたりする。あまり「一般人」とつきあったりしないのでそうなる。これはエンジニアという「人種」が、仕事を始めて数年経つと陥りやすい精神状態について書いているブログです。こうした社員を生暖かく見守ってくれていた「企業」も少なくなってきたんでしょう。

クレジットカードってどれを選んでいいのかわからない!という人は多いのだから、相談窓口があると面白いのにと思う。カードコンサルの仕事を!
クレジットカードの読みもの
こういう悩みって、たとえば情報誌の『DIME』なんかで定期的に特集されてたりします。もちろん自分なりの使い方があるし、それぞれ得点も違えばサービスもいろいろだし、それこそ年会費も無料のものから次年度から有料、さらに高額なものまで多種多様です。確かに、情報誌なんかを読みあさるより誰かに「あなたはこのカードがいいですよ」とアドバイスされたほうがいいのかもしれません。ネット上にマトメサイトとかないんでしょうかね。


アゴラ編集部:石田 雅彦