僕らにはmiwaがいるのに、なぜAKBとももクロが必要なのか

小幡 績

考えてみると不思議だ。

昨日の紅白で、改めてmiwaの可愛さを再認識した。歌声も美しいし、きっといい子だろう。美輪明弘もmiwaも素晴らしい。

私が20ならばきっとmiwaを大好きになって、ファンになっただろう。

きっと誰もがmiwaを大好きだろう。

AKBやももクロ、perfumeのどのメンバーよりも可愛い。

歌も当然断然上手い。

それならば、なぜ、miwaではなく、AKBやももクロが好きになるのだろうか。

なぜ僕らにはAKBとももクロが必要なのだろうか。


それは、カテゴリーが違うからである。

カテゴリーの違いは重要だ。

我々はすべてカテゴリーで判断する。

マッキントッシュのコートを買う人と、マッキントッシュフィロソフィーのコートを買う人は別のカテゴリーとしてこれらのコートを認識する。前者は他のブランドと比較することはないので、価格弾力性はなく、後者は、他のブランドとの比較なので価格は重要で、バーゲンやアウトレットが必要だ。

ロイヤルホストは高いが、俺のイタリアンは安い。なぜなら、それぞれ別のカテゴリーだから、前者は、ファミレスのカテゴリーとしては高く、後者はイタリアンとしては安い。

いうまでもなく、AKBやももクロとmiwaとはカテゴリーが違う。前者はアイドルであり、後者はアーチストあるいはスターだ。

アイドルたちに自己満足を与えるために、アーチストと呼んで乗せるのは常套手段だが、アイドルとスターの違いは、改めて考えてみる価値がある。

なぜなら、アイドルとスターは紙一重だからだ。

きゃりーぱみゅぱみゅはどちらだろうか。

ひとつの定義は、アイドルは応援したくなる対象であり、スターは憧れる対象である。

だから、松田聖子はある人にとってはアイドルであり、他の人にとってはスターなのだ。

山口百恵は、アイドルとしてスタートし、スターとなったのだ。桜田淳子はアイドルからスターへの飛躍を果たせなかったのだ。天地真理もそうではないか。キャンディーズはスターになることを拒否し、普通の女の子になった。アイドルをやめて普通の女の子になったのではない。スターになることを拒否して、アイドルのままでいることを選択したのだ。だから、みな応援続けたのだ。

恋愛対象になるのはアイドル。スターに恋するなど恐れ多い。マドンナやレディガガに恋する人はいない。憧れるだけだ。

しかし、これは紙一重で、そこを曖昧にすることにより成功する場合もある。

perfumeがこれにあたる、と主張するのは、主観が入りすぎているから差し控えるが、ジャニーズは、基本的には、ここをあいまいにして成功しているビジネスなのではないか。あるいは、うまくスターに移行させるビジネスモデルを持っていると考えれば良いだろうか。

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他のビジネスでも、カテゴリーをはっきりさせよ、というのがビジネススクールやコンサルタントのアドバイスだが、ターゲットを絞れ、顧客像を明確にせよ、というが、カテゴリーをまたぐ、あるいはあいまいにする、あるいは、移行をデザインすることが、飛躍的に利益を倍増させる戦略なのではないか。

ある意味、アップルはそれを大成功させたモデルではないのか。

アップルはリンゴスター。

みんなで応援し、そして、あるときから憧れの対象となった。

スターになったのである。

しかし、その前はアイドルで、みんなで、あるいはツウは応援し続けたのだ。

そこが、アップルの特徴であり、スターになってから爆発した理由である。

ソニーは、アイドルで会った事はなく、スターとなり、スターとして力を失っていった。

しかし、本来はソニーもアイドルである時期があれば、愛され、応援される存在となりえたのではないか。

そこが、ソニーとアップルの違うではないか。

ソニーはどうすればよかったのか。

今年、もう一度考えたい。