ライフネット生命のこれまでの成長は、PR・広報活動によって大いに牽引されてきた。
数ある生命保険会社の中で、ライフネットはどこが違うのか?
人によって見方は色々とあるだろうが、「消費者目線に立って生命保険業界を変えたい」という創業の理念を強く訴え続けてきたことが大きいように思う。
振り返れば、開業からこれまで6年を通じて取り組んできたことは、「社会からの信任を得る」ということだったのではないか。
ゼロから始まった会社が、広く人々の認知や信頼を得ることは、決して容易ではない。ましてや、超長期の事業である生命保険においては、尚更である。
それをどうやって実現するか?
保険のテレビコマーシャルを流し続けたり、ウェブサイトを改善し続けたり、コールセンターで電話の応対をしていることだけでは、その信用は簡単には築けないだろう。
本質的には、一人でも多くの方の生命保険選びと申込みをお手伝いし、請求があったときに迅速に支払う、これを愚直に続けることしかない。人間同士の信頼関係と同様、決して一夜にして築けるものではない。この点において、我々はまだ道半ばだと認識している。
同時に、どんな事業であっても、どんな人間が、どんな想いでやっているかも大切な要素となる。本当に優秀なセールスパーソンは商品説明をする前に、まず自分という人間を知ってもらい、買ってもらい、それから自社についての信頼を勝ち取り、それから商品を売り込むのだろう。
こういった考えから、私たちも狭義の生命保険の話題にとどまらず、機会があるごとにブログや書籍を通じて発信し、メディアの取材に応え、講演などを行ってきた。生命保険に関する発信とこれらの広報活動をパラレルで行ってきたことが、比較的短期で一定の知名度と信頼を築く礎となったかと思う。
今後の課題は、このように知っていただき、興味を持っていただいたお客さまに、どうやって保険選びのお手伝いと申し込みのサポートを行うかである。このように考えて、昨年6月に社長兼COOに就任依頼、メディア出演も原則としてお断りし、講演も生命保険に関するもの以外はお断りするようになり、海外出張も極力控えて社内で過ごすようにしている。
例外としてお受けしているのが、全国規模で発信が出来て、会社の成り立ちや想いを語ることが可能なTV番組への出演である。
NHK・Eテレの人気対談番組「SWITCH」はまさにそのような番組であり、年末に流行語大賞を取った「今でしょ!」で有名な林修先生との対談が放映された。有難いことに、この番組は好評をいただいたそうで、以下の日程で再放送されることになった。
日時:2月8日(土)22時~23時@NHK Eテレ
番組:SWITCH イインタビュー達人たち
ライフネット生命設立に至る想いや、社内の風景なども放映されますので、ぜひご覧ください。
ソチオリンピックの裏番組となりますが!
ちなみに、林先生には収録中にお約束で、「いつ保険を見直すのか? 今でしょ!」と言っていただいたのですが、本番ではカットされていました。残念!
編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2014年2月7日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。