日経トレンディの「100万部超えで図鑑トップに! 「動く図鑑」大ヒットの秘密」という記事がヤフートピックスに掲載され、話題を読んでいた。私もこれまで何度かイチ押ししている講談社の迫力映像付き「動く図鑑 MOVE」が累計でミリオンセラーになったとのこと。図鑑にDVDを連動させるという、ありそうでなかった発想を編集者の熱い情熱で実現した企画で、なるべくしてなったヒット作品だ。うちは全巻そろえていて、3歳頃から見始めた長男はかなり生物マニア度を深めている。
ところで、こういった動物や魚、恐竜の名前や特性をたくさん知っていたからといって、学校の試験で問われるものでもなければ、社会に出て役立つものでもない。動物学の研究者や動物園のマネジメント、飼育員などごく限られた職業以外はほとんど関係ない。そうだとしても、世界に存在するおもしろいものを知り、まだ見たことのないものを発見するということは、胸をワクワクときめかせ、脳をフル回転に刺激し、人生を豊かにする素晴らしいことだと思う。そして、もう少し狭い意味で教育的な観点から考えると、図鑑で身につけた知識そのものよりも、何かで調べ探求するという習慣を身につけること自体が、その後の生涯において長く使うことになる重要なリテラシーになる。
そこで、ちょっと趣向が変わるが、うちの子どもたちがはまった、探求欲をめちゃくちゃ刺激する「ちょっと変わった図鑑」についても紹介したい。
まずは、子どもが大好きな、う・ん・ち。
子どもって、ほんと好きですよね。親的にはやめてほしいのだが、ここは逆手にとって、「どうせ好きなら、いろんなうんちを調べてみろ!」というわけで買い与えた図鑑。これが結構おもしろい。うんち一つとっても動物によって様々で、カタツムリなんかは食べたものによって色が虹色のように変わるなんてのもあり、大人でも楽しめる。ちなみに、うんちと言えば絵本作家の大御所、五味太郎さんの絵本「みんなうんち」もリズミカルでおもしろい。
次に、これは「変わった図鑑」というよりも、むしろ子どもにとっては定番だが、働く車のシリーズは、うちの子が初めてはまったもので、DVDも図鑑も繰り返し観て読んで覚えた。前述の「動く図鑑」シリーズに入る前に、2歳くらいにそういった習慣がついたわけだ。うちはどちらかというと、電車男よりも働く車くんなわけだが、もちろん、電車の図鑑もおさえている。
そして、最近ではこんな図鑑にもはまっている。アンパンマン大図鑑だ。
アンパンマンはやはり大好きで、録画して繰り返し観たり、映画を借りて観たりしている。アンパンマンのすごさの一つはキャラクターの多さで2000を越すキャラクター数はギネスにも載っている世界記録だ。ということで、2000以上のキャラクターを熱心に覚えて、そのキャラをレゴなどのブロックでつくったりといったことをやっている。
アンパンマンは食べ物のキャラクターが多く食育にもよいと思っているが、バイキンマンが毎回つくるロボは科学技術への関心を高めるのにもよいのではと感じている。だいたい、レゴでつくるときはバイキンマンの発明するロボをつくっている。科学という点ではドラえもんも大変よい。四次元ポケットから出てくるあの秘密の道具は、まさに科学によって夢を叶えるという心を育んでくれる。ということで、ドラえもんの秘密の道具図鑑も、うちの子が今はまっているお薦めの一冊だ。
子どもはとにかく好きなことを熱心に探求する。それが将来役立つかなんていうチンケなことは置いといて、どんなことでも物事に興味を持たせ、好奇心と探究欲を思いっ切り刺激する。そして、新しいことを知ることの喜びを覚え、分からないことを調べたり、物事を比べたり研究する習慣をつけることが大切だと信じている。
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学びのエバンジェリスト
本山勝寛
http://d.hatena.ne.jp/theternal/
「学びの革命」をテーマに著作多数。国内外で社会変革を手掛けるアジア最大級のNGO日本財団で国際協力に従事、世界中を駆け回っている。ハーバード大学院国際教育政策専攻修士過程修了、東京大学工学部システム創成学科卒。1男2女のイクメン父として、独自の子育て論も展開。アゴラ/BLOGOSブロガー(月間20万PV)。著書『16倍速勉強法』『16倍速仕事術』(光文社)、『マンガ勉強法』(ソフトバンク)、『YouTube英語勉強法』(サンマーク出版)、『お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記』(ダイヤモンド社)など。