ガンにかかるリスク、というのは、よくバケツに水がぽたぽたしたたってあふれる状態を比喩にして語られます。水の一滴一滴には、様々な要因が含まれている。それは、食べ物かもしれないし、タバコや酒かもしれないし、放射線かもしれないし、遺伝的なものかもしれません。何か一つの原因でガンになる、というケースはほとんどない。多種多様な影響が一滴ずつバケツにたまり、あるときついにあふれ、ガンが発症する、というわけです。
一方で、ガンに罹りにくくする作用、というのもいろいろ語られてはいるんだが、同じように何かをすればそれが効果的、というものはほとんどありません。ダイコンやニンジン、トマト、ブロッコリー、ホウレンソウ、イワシ、アジ、サンマ、エノキダケ、コンブ、シジミ……。ガンになりにくい、とされる食べ物はもう枚挙に暇がありません。しかし、大量のマウスを比較し、大量にダイコンを食べさせたマウスとそうでないマウスとでガンの発症率を比べる同じ方法を我々のヒトでやれるはずもない。ダイコンばかり食べていれば、何かほかの病気にかかるでしょう。ようするに、まんべんなくバランス良く多種多様なものを過不足なく食べる、という食生活に優るものはありません。
表題の記事では、有機野菜を食べるとガンにかかりにくくなる、という「信仰」にはエビデンスがない、と書いています。英国オックスフォード大学の研究者らが、9年間に亘り、約60万人の50代英国女性の食習慣を記録し、約5万人の女性のガンの発症例と付け合わせたらしい。もちろん、有機食品を食べる女性のガンの発症率が高く、逆にある種の悪性リンパ腫の発症率が低くなることはわかっているんだが、前述したようなほかの要素の影響を排除できず、有機野菜などの効果にはほとんど有意の差はないらしい。同様に、農薬もガン発症に対する影響に立証できるデータはないそうです。
一生のうちにバケツに水が溜まらなければ、ガンにかからずに死ぬかもしれません。しかし、それはガンではないだけで、もっとほかの病気かもしれない。つまり、あまり気にしていると、そっちのストレスのほうがたくさんの水をあなたのバケツに注ぎ込んでいるかもしれない、というわけです。
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES
Women Who Eat Organic Food ‘No Less Likely to Get Cancer’
Minecraftの作者Notch、Oculus VR版の開発を中止。「Facebookは薄気味悪い」
engadget 日本版
IT系企業やサービスのM&Aがあちこちで起きると、こうした動きが今後もっと出てくるかもしれません。とりわけ、IT系の「中の人」にとって、SNSの好き嫌いは激しくある。Facebookをヘイトする開発者が、あるガジェット用にゲームの開発をしてたんだが、そのガジェットごとFacebookに買収されたのを嫌って開発を止めちゃった、という話。Facebookの場合、企業理念、というものが案外あやふやで信用ならないらしい。これがその「MINECRAFT」というゲーム。しかし、なにかがなくなっても常に代替品が出てくるのが今のネット世界。このゲームもVR版があるようです。
デルタ航空が機内での次世代リーダー支援プログラムを創設
IRORIO
長いフライトはとかく退屈なものです。映画にも飽きたし、何かヒマツブシがほしい、というのもわかる。フライト先や季節、時間帯によっては、何か特別な目的のために向かう人たちが同じ飛行機に同乗することも少なくなさそうです。TEDのような機内でのイベントがあっても楽しい。こうした機内でのリアルライブなビジネスの可能性は、もうちょっと考えてもいいかもしれません。
サイバー義体者のオリンピック「サイバスロン」開催へ
WIRED
2016年にパラリンピックとはちょっと違う、障害者のスポーツ大会が開かれる、という記事です。ロボット技術などを使った高度な器具を装着して競うらしい。格闘系やシューティング系などのゲーム競技会は世界的に広がりと盛り上がりをみせているんだが、コンピュータを使ったこうしたヴァーチャルな競技会が出てくるのは自然な流れなんでしょう。パラリンピックが国の代表が出場するのに比べ、こちらは個人的な参加のようです。どんなものか、と言えば紹介動画をご覧ください。
「音楽の販売スタイルはもっと模索できる」沖野修也が提言する、これからの音楽マネタイズ術
Real Sound
もうすでにネット上では、初音ミクなどボーカロイドを使って、作詞から作曲、編曲、音源作り、さらにはMMD(MikuMikuDance)などを使ったプロモーションま、果てはイラストにいたるまで、すべて自分一人でやってるような人もチラホラ出ています。クォリティはともかく、自分の中のマルチな才能を合体させ、一つの表現にしている。これを金にするのが難しいんだが、ネットの販売網や口コミ、iTunes、YouTubeやニコ動などを駆使すれば、少しずつなんとかなる時代になってきています。なにしろ、ネット上にはとことん、コンテンツが足りません。クォリティを保持しつつ、少額課金で大量にコンテンツを作り出す仕組みを考えなきゃ、ですね。
アゴラ編集部:石田 雅彦