本日より都議会定例会がスタートしたわけですが、なかなか波乱の出だしとなりました。
議会初日は「知事所信表明」というコンテンツがありまして、40~60分程度の都知事からの所信表明演説があります。現在の知事の考えや政策、都政の方向性が示される重要な発言です。
実はその内容は事前にペーパーで議員たち(と、おそらくマスコミにも)に配布されているのですが、その中にまったく記載されていなかった内容が突然知事から読み上げられました。
それが、冒頭のニュースです。
追加で入った発言の書き起こしは↓
いくつもの競技場を新設し、無駄遣いとの指摘も多かった会場計画なので、その見直しの決断については評価できる部分もあると思います。
しかしながら、これほどの重要な指針の見直し決定が本会議の場で突然知らされるというのは、腑に落ちない部分があります。オリンピック関連の各種組織や委員会は、何のためにあるのでしょう??
その後、担当局の課長から事情の説明を求めましたが、
「私たちも、今日知った事実です」
「『見直し』を始めると言っているだけで、まだ何か決まっているわけではない」
「今回は正式の会議などではなく、あくまで知事がトップダウンで表明したこと」
という点を強調されていました。
しかしながら、知事の発言をみれば
>大会後の東京にどのようなレガシーを残せるのか
>整備コストの高騰への懸念に対応していかなければならない
など、事実上「縮小」の方向を強く打ち出していますし、
断定口調で
「適切かつ速やかに改めてまいります」
「結論に至りました」
と議会の場で何度も繰り返していますから、行政の常識で言えばこれはほぼ「決定事項」です。
さらに疑問に感じるのは、
>大会組織委員会の森会長とも同様の視点から協議を重ねた結果、
と、森会長の意思疎通を強調しているにも関わらず、その後の記者会見では
>知事は計画見直しの方針について「現場でやる話だ」として、
>下村博文五輪担当相には事前に伝えていなかったことも明らかにした。
と述べている点です。うーん、一体、政治の世界でどんなパワーゲームが働いているのでしょうか…。
発言中の議会のざわつき方から見て、自公などの大会派は事前にこの発言を知っていたように感じましたが、これほど重要な方向転換が議会から見えないところで策定されることには少々疑問を覚えます。
いずれにせよ、猪瀬元知事らが残した政策や計画が一つ一つ闇に葬られて行っていることも間違いなさそうです。。
明日から一斉にこの件についてはマスコミ報道がされると思いますが、この知事の方向性も本議会の争点の一つとなるかもしれませんね。
取り急ぎですが、初日のご報告まで。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は都議会議員、おときた駿氏のブログ2014年6月11日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださったおときた氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。