「運」について本を書きませんか? という提案を、とある出版社から頂きました。最近、ビジネス書のヒットを多発している編集者から持ち込まれたものです。
そこで、「運」について少し考えてみました。
例えば、仕事運が良い人と悪い人がいます。何をやってもうまくいく人、何をやってもうまくいかない人。その違いが、どこにあるのか? すると「いい人」なのかどうかが、運を引き寄せるのに重要な影響を与えていると思うようになりました。
「いい人」とは、自分のことよりもまず人のことを考える習慣のある人です。
ビジネスにおいては、相手のメリットを考えることが非常に重要です。お客様であっても、取引先であっても、相手にメリットが無いことは、相手に受け入れられません。
飲食店をするのであれば、安くて美味しい、そして行って楽しくなるようなお店にして、お客様に価値を提供することが先です。コストを下げて、利益の追求を優先すれば、お客様は来なくなってしまいます。
ビジネスを一緒にするパートナー企業さまでも、まず相手の会社に対して、こちらがどんな価値を提供できるかを考える必要があります。最初から、こちらのメリットばかり考えて主張していては、取引してくれる会社は無くなってしまいます。
このように、相手のことを考える「いい人」には、ファンが付きます。人間というのは、何かしてもらうと、それにお返しをしてあげたいと思うのです(そう思わない人とは、そのうちご縁が無くなります)。「いい人」になればなるほど、そんなお返しを受けることが多くなっていくのです。
仕事運というのは、そんなお返しの力によって実感するものではないかと思います。何か困ったことがあった時、たくさんの人が助けてくれる。例えば、
お客さんがいないと紹介してくれる
知名度が低いと宣伝してくれる
人手が足りないと手伝ってくれる
知らないことをやろうとすると専門家を連れてきてくれる
トラブルに巻き込まれたら、敏腕弁護士を紹介してくれる
・・・・
困った時に、そんなサポートが得られ、窮地を脱して成果に結びつく時、仕事運が強いと感じるはずです。しかし、それは運というよりは、その人の日頃の心がけの結果ではないかと思うのです。
そう考えると、「運」というものの正体が見えてきます。実は運とは、自分でコントロールできるのです。
毎日の生活の中で無意識にやっていることが、いつしか自分の周りの環境を変えていき、それが結果となって現れる。「運」だと思っていることは、自分の心がけの結果です。
だから、運を良くするには、毎日一生懸命「いい人」になろうとすること。自己主張をする前に、相手に何ができるかを考えてみる。ビジネスに限らず、資産運用やプライベートなど毎日の生活すべてに当てはまる、とても大切な習慣です。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年7月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。