W杯の結果は監督采配の差だった

アゴラ編集部

サッカーワールドカップが終わりました。結果は予想通りでしたでしょうか。この大会には、様々な逸話や不可解な偶然があふれています。今回、ドイツが優勝したんだが、南米で開催された大会で南米以外の国は勝てない、というジンクスを破りました。しかし、1930年のウルグアイ大会が第1回。それから20回目の大会というわけで母数が少な過ぎるという指摘もあります。現行、3戦の予選リーグと決勝トーナメントという短期決戦では、必ずしも下馬評通りの結果が出るとは限らないでしょう。主力選手のケガや累積警告での出場制限などが微妙に影響することもあり、予想はかなり難しい。


FIFAのHPに写し出されたメッシの後ろ姿


ただ、英国ブックメーカーのオッズなどは、けっこう核心を突いています。大会前のオッズで首位はブラジルの4倍、アルゼンチンが5倍、ドイツが7倍。このへんまでは準決勝の「常連」なので予想が付くんだが、4位のスペイン7.5倍に賭けた人もたくさんいました。また、かつてドイツ西部の水族館には「パウル(Paul der Krake)」という名前のタコがいて、ワールドカップの予想をかなりの確率で的中させていた。「パウル」が2010年の秋に死んで「レッギーナ」という後継タコに予想が引き継がれました。このタコ、ドイツvsアルゼンチンの決勝の勝者を見事に当てたそうです。

こちら「Inside Microsoft Research」というサイトの「Seeking Answers amid World Cup Excitement」という記事に、データ分析による予測モデルの話が出てきます。サッカーワールドカップは、レギュラーシーズンのデータ蓄積がないイベントで予測は難しいんだが、それでも短期的なデータから多くの情報を得ることができるらしい。西ドイツが優勝した1990年のイタリア大会では、一次リーグでカメルーンがマラドーナを擁する1986年の優勝国アルゼンチンに1対0で勝って世界を驚かせました。この記事では、こうしたドラマも充分に予測可能と書いている。

今朝の試合は、さすが決勝戦という好ゲームだったんだが、ドイツ優勢と言われていたほどの差はなかった。となれば、やはりドイツvsブラジルの7対0というスコアはいったい何だったんでしょうか。単なる点差以上に衝撃的なこの結果は、1958年のスウェーデン大会の予選リーグで、チェコスロバキアが6対1でアルゼンチンを破ったとき以上、と言われています。準決勝と決勝の落差が激し過ぎる。

ところで、ワールドカップのジンクスには「外国人監督」が率いた国は優勝したことがない、というのもあります。今回の決勝、ドイツはドイツ人のヨアヒム・レーブ監督、アルゼンチンも同国出身のアレハンドロ・サベーラ監督。どっちが勝ってもこのジンクスは守られたことになる。日本代表監督も、本人はやりたがらないかもしれないんだが「岡ちゃん」でいいんじゃないか、と個人的には思います。

監督と言えば、今朝の試合も監督の采配が明暗を分けた印象があります。レーブ監督が替えた選手が値千金の1点をもぎ取った。日本代表が戦った予選リーグでも、相手監督の采配にしてやられた感がある。出場選手は試合が始まると俯瞰的に全体を眺めることは難しい。崩壊したブラジルチームをみるとよくわかります。

短期決戦では、やはり監督の差が大きいと思います。しかし、日本サッカー協会はまたぞろ大金で外国人監督を探してくる愚を繰り返している。レーブ監督は2006年からドイツ代表を率いて結果を出した。相変わらず「協会批判」が聞こえてこないんだが、日本サッカー協会はもう「4年でサヨナラ」の監督人事から脱却すべきでしょう。

QUARTZ
Adidas won the World Cup battle, but Nike is winning the soccer wars


VIDEO. Non, la Belge Axelle Despiegelaere n’est pas egerie L’Oreal
L’EXPRESS STYLES
サッカーワールドカップは決勝が終わり、長い戦いに幕が下りました。今回の大会はいろんな特色があるんだが、その一つは国際映像で抜かれたサポーターに注目が集まったことでしょう。カメラマンの好みなのか、出場国の応援美女たちが映ったりしてネット上で話題になったりする。ベルギーの美女が化粧品会社の目にとまり、ヘアメイクのキャンペーンモデルに起用される、とニュースになったんだが、彼女がサファリハンティングで獲物を前に記念撮影をしている画像が流出し、その抜擢もお流れになったらしい。この記事によると、ベルギーのロレアルはすでに彼女で撮影を済ませているんだが、正式な契約はしていないようです。彼女にしてみれば、ブラジルまで応援に行って話題にもなり、いい記念になったんじゃないでしょうか。


L’Oreal Professionnel BELGILUX

NASA’s high-flying laser altimeter to check out summer sea ice and more
PHYS.ORG
米国NASAが、高高度で飛行する航空機から夏の海氷などを観察するレーザー計測器の実験をしている、という記事です。夏にやる、というんだから北半球、北極圏の観察です。溶け出した流氷は気象にどう影響するのか。白い雪面は太陽光線を反射するんだが、溶けて地表がむき出しになると、熱をドンドン吸収します。こうしたメカニズムの解明に一役買うかも、というわけです。

NASA/Carla Thomas

The Problem With Mobile Phone Batteries May Finally Be Solved
BUSINESS INSIDER
サーフィン好きな米国カリフォルニアの大学生が、ビーチの砂をヒントにして新しい電池の素材を見つけたかも、という記事です。テキサス州の砂漠にある貯水池から石英(二酸化ケイ素)のサンプルを採取し、粉砕してからマグネシウムと塩と一緒に過熱してみたらしい。その素材を使うと、容量が格段に多いバッテリーを作れるんだそうです。アップルやサムスンが食指を伸ばしつつある技術。科学雑誌『nature』にも掲載されたこの研究、さて本当でしょうか。

Zachary Favors, Wei Wang, Hamed Hosseini Bay, Zafer Mutlu, Kazi Ahmed, Chueh Liu, Mihrimah Ozkan & Cengiz S. Ozkan

スカーレット・ヨハンソン、コーエン兄弟監督の新作『ヘイル・シーザー!』に出演!?
VOGUE
映画『ノーカントリー』(No Country for Old Men、2007年)などの監督で知られるジョエル&イーサンのコーエン兄弟の新作映画が『ヘイル・シーザー!』(Hail Caesar!)というんだが、これ、オリジナルの脚本のようです。ちょっと奇行で有名な米国の男優アンソニー・マイケル・ホールが主演・監督で同名の作品を撮ってるんだが無関係らしい。コーエン兄弟はジョン・ウェインが主演した名作『勇気ある追跡』なんかのリメイク(『トゥルー・グリッド』True Grit、2010年)もあります。今回の新作は、映画『ディボース・ショウ』(Intolerable Cruelty、2003年)にも主演したジョージ・クルーニーがすでにキャスティングされているらしい。ほかに『トゥルー・グリッド』のジョシュ・ブローリン。この記事によると、妊娠中のスカーレット・ヨハンソンも出る、と報じています。ちなみに、ヘイル(Hail)って英語は「ハイル・ヒトラー(Heil Hitler)」のドイツ語Heilと同じです。


アゴラ編集部:石田 雅彦