いつまで続く、パレスチナ自治区ガザへの攻撃

アゴラ編集部

6月12日にイスラエルの3人の少年が行方不明になり、その後、30日になって彼らの遺体が発見されました。行方不明になっている間、これをパレスチナの犯行とするイスラエル軍がパレスチナへ侵攻し、捜索過程で衝突したり、多くの死傷者を出したりしていたわけです。また、パレスチナの少年がユダヤ系の過激派に誘拐されて殺害されるなど、報復が応酬され、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスを攻撃し続けています。

7月12日、イスラエルの極右勢力が、ガザからテルアビブへロケット弾が発射されたことに抗議している様子。両者の憎悪が増幅している(by Oren Ziv / ActiveStills)。


イスラエルは、この際、イスラム原理主義のハマスを叩いてしまおう、という算段のようで、長距離ロケット弾の発射設備などを重点的に破壊しています。ハマス側もイスラエルの軍事攻撃に抵抗し、逆にテルアビブへ向けてロケット弾を発射するなど、両者の戦闘が激化している。イスラエル軍の攻撃により、パレスチナの女性や子供ら市民も巻き添えになり、多数の犠牲者が出ているようです。

パレスチナのハマスは、イスラエルとエジプトの間に挟まれています。エジプトは従来はパレスチナに同情的だったんだが、現在の軍事政権は反イスラム原理主義であり、必ずしも味方ではない。イスラエルの圧倒的な軍事力の前に孤軍奮闘しているパレスチナをエジプトは傍観している、というわけなんだが、エジプト市民の間からは軍事政権のこうした態度に対して批判が沸き上がっているようです。

国内の突き上げに抗しきれなくなったエジプト政府は、7月14日、両者に対して停戦案を提示したんだが、不調に終わり、パレスチナ自治区ガザへのイスラエルの攻撃は依然として継続中です。いずれにせよ、事の発端はイスラエルの少年らが殺害された、という事件。この事件の真相はいまだに明らかにされていません。ハマスが犯人、とするイスラエルの主張も真偽は定かではない。一方、イラクではイスラム過激派の勢力が伸長中です。このことが今回の紛争と何か関係しているんでしょうか。

中東の窓
ガザ情勢(エジプトのジレンマ)


MEXICANS BLAME AMERICANS FOR ‘DEATH TRAIN’
WND
米国への不法入国者、不法移民が急増しているんだが、オバマ政権の移民政策のせいだ、という声が高まっています。特に保護者のいない児童が中南米から殺到しているらしい。中南米からの子供らのため、オバマ政権は、不法移民の両親が連れてきた子供に、2年間の米国滞在許可と労働許可を与え、一定条件の下で永住権と市民権の道を与える、いわゆるDACA(the Deferred Action for Childhood Arrivals)政策を実行しているんだが、この政策が中南米各国から米国へ子どもが逃げ込む要因になっている、という指摘です。ただ、米国に限らず、中南米から海外への脱出者は増え続けているようで、必ずしもオバマ政権の「人道政策」だけが原因とは言えない、という主張もあるらしい。表題記事によれば、治安が悪化し続けている中南米各国からメキシコ経由で「死の列車」と名付けられた鉄道に乗り、多数の不法移民が米国を目指している。その中には少なくない数の児童が含まれ、列車に飛び乗る際に落ちて死んだり、屋根に鈴なり状態のまま炎天下の野ざらしで病気になったりするわけで、米国にとって悩ましい事態になりつつあるようです。

メキシコの「イエズス会の移民サービス」による移動地図。

ロボットが「歩き方」によって人の感情を認識可能と証明
東京農工大学
ヒトの感情が「歩き方」に出てくる、という話から、それをロボットが我々の感情を読み取るヒントにしよう、という研究についての記事です。確かに「歩き方」は指紋のようなもので、個人差が微妙に違い、かなり正確な個体識別にも応用できる、という説があるんだが、感情まで表出する、というのは興味深い。我々は無意識のうちに相手の歩き方を認知しているのかもしれません。

東京農工大学のプレスリリースより。

どうして「Twitter」ばかりが炎上するの?
App Woman
別にFacebookでもmixiでも2ちゃんねるでも「炎上」はあったんだが、いわゆる「バカッター」はTwitterの語呂合わせなので特に多く感じるのかもしれません。TwitterもSNSの一つ、という認識が薄い、というのはあるんでしょう。さらに不特定多数に拡散させるTwitterのパワーは、ほかのSNSの追随を許さない。特に何か特別な機能があるわけじゃない。使用法を守って、という、そんなところです。

左腕の優越─両腕動作中にのみ発揮される左腕の秘められた能力─
東京大学大学院教育学研究科
これ、はるかに優れている、というところに注目です。興味深いのは、右手が利き手の人の場合、左手の機能を抑え込んでいるらしいところ。なので、左利きの人では右手のほうが優れているらしい。我々にどうして右利きと左利きがあり、圧倒的に右利きのほうが多いのか、という議論は古今東西で繰り返されてきたんだが、こうした議論に影響を与える研究結果です。


アゴラ編集部:石田 雅彦