松屋よ、なか卯のように牛丼を捨てるのか --- 渡辺 龍太

アゴラ編集部

私は牛丼ファンで、週に数回は必ず食べています。特に、みそ汁が付き、バーベキューソースを牛丼にかけられる松屋がお気に入りです。

そこで、早速、代々木上原店でプレミアム牛めしを食してみました。

食券を定員が確認すると、約3分ほどして、次の様な牛丼が登場しました。

私はこれを見た瞬間、非常に嫌な予感がしました。


というのも、牛丼自体は見ただけでは、以前の牛丼と区別は特に付きません。それなのに、木箱に入った七味やら、トレーが付いてくるではありませんか。

しかも、牛丼はデフレ競争の中、既に値上げしないとキツそうだった訳です。そして、今回は、たった100円の値上げにすぎません。

その100円を『味』ではなく、『高級感』の方の演出に使ってしまったのではないかと思いました。

そんな感じで、すこしがっかりしながら、牛丼を口に入れてみました。すると、案の定、従来の牛丼との大きな違いは分かりませんでした。

強いていうなら、以前より肉が厚切りになっている様な気がするのと、あまり脂身などが煮くずれていない様な気がしましたし、なんかあっさりした味になった気がしましたが、誤差の範囲の様な気がします。

そして、肉を普段より意識的に食べたためなのか、よそり方なのか、量なのか、それとも肉が厚めになったためか分かりませんが、普段より圧倒的に早く、ごはんより先に肉が終わってしまいました。

全部食べて感じた事を正直に言えば、また食べたいとは思いませんでした。むしろ、100円値上げでもいいから、以前と全く同じものを食べたい気がしました。中途半端に油分などがあっさりしてしまった様な気がして、私はもう松屋には行かないと思います。

ちょっと違う視点で考えてみます。普通の290円の牛丼に、プラス100円でトレーと木箱に入った辛さがマイルドな七味を付けたい人が何人いるのでしょうか。そんな中途半端な高級感には100円を払いたい人は、私を含めて多くない気がします。

しかし、それでも松屋が、プレミアム牛めしを販売しているのには訳があるのでしょう。そこで、私なりに松屋の戦略を推測してみます。

恐らく、松屋には牛丼だけを食べにくる客だけでなく、多くの定食ファンがいるはずです。そして、その定食を食べてくれる客の方が単価が高いので、徐々に牛丼を食べにくる客を排除、または定食を頼む客へとシフトさせていく戦略なのだと思います。

その手始めとして、牛丼を390円にし、トレーや七味を付ける事で、松屋が牛丼屋というより定食屋の一種であるという印象を客に持たせたいのでしょう。そして、今まで牛丼しか食べた事が無かった客が、さらにプラス100円くらいならと、定食を食べてみようと思う人を増やしたいという戦略なのではないでしょうか。

そういう視点で考えると、近い将来、松屋の牛丼がファミレスの牛丼並みに高くなったり、もしくはなか卯の様に牛丼を捨てる事も考えていても全く不思議ではないという印象です。

ここ何年か、ずっと松屋に通ってきた、牛丼を愛する私としては、非常に寂しい方向への店の変化でしたが、時代の流れなのでしかたがありませんね。別の店の牛丼で満足しようとおもいます。

渡辺 龍太
WORLD REVIEW編集長
主にジャーナリスト・ラジオMCなどを行なっている
著書「思わず人に言いたくなる伝染病の話(長崎出版)」
連絡先:ryota7974アットマークgmail.com
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編集部より:この記事は渡辺龍太氏のブログ「ネットメディアプロデューサー 渡辺龍太のブログ」2014年7月24日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はネットメディアプロデューサー 渡辺龍太のブログをご覧ください。