安倍さんにバケツのバトン誰が渡すんですかね

新田 哲史

どうも新田です。アイスバケッツの件、前回でネガティブに書いたのに、ジャストギビングの関係者から「だからこそ取材してちょ」と明け方3時にプレスリリースぶっこまれてしまい、しゃあないから東京タワーへお義理で行ってミッキーや乙武さん、古田さんたちの勇姿を撮っていたわけですが、せっかく行ったので「追伸」をば。


前回の記事をFacebookに投稿したら、ほとんど「いいね!」が付かない(苦笑)。キャンペーンの賛同者からは、私のように批判的な論評に対して「ALSに社会的注目を集めることが優先だろ」的な反論が出ているわけですが、その一方でご家族や友人に患者さんがいた方々が「なにかそわそわする」的なコメントも散見されました。実際、私にDMでブログへの賛意を送ってこられる方もいたんですが、結局、著名人のかたや経営者の方々が正論を掲げてあれだけ前のめりになっていると、ある種の同調圧力が生まれてしまって表立って率直な意見交換が出しづらくなっているじゃないですかね。

もちろん、私も乙武さんが言うように注目度を高めること自体は賛成です。しかし、セレブ感が前面に出すぎているが故に、共感の輪が広がりづらくなっているのも事実で、やっぱり恋チュンのようにみんなが踊って参加できるような形式のほうがいいと思うという意見は再度言っておきます。今回は米国発のバイラル案件なので、イベントを一過性に終わらせないための運動を日本から仕掛けていくくらいがいいじゃないでしょうか。

一方で、キャンペーンへの評価を抜きに、やはり患者さんの思いに触れることで考えさせられます。きのうのイベントには一般社団法人END ALSの創設者で、自らも患者である藤田正裕さんが参加していたんですが、声も失い体が動かなくなってもなお多くの人にこの難病のことを伝えようとする姿を実際にお見かけして圧倒されました。藤田さんはマッキャンエリクソン勤務で今でもお仕事をされている。同社の社長も参加されていましたが、患者さんたちの雇用というところも考えさせられて発見がありました

しかし肝心の寄附状況はとなると……アメリカでは2カ月で30億円を超える勢いで進んでいますが、やっぱり映像のシェアばかりが先行しているわけです。

日本社会の寄付総額は8,000億と、米国の25兆5千億、英国の1兆5千億に大きく見劣りしているとはいえ、せめて100分の1の3000万円は最低でも集まらないのは悲しい(それでも少ないけど)。

※内閣府ホームページより

なお、アイスバケッツの件、アメリカでは一つの団体が統括的に動いていて寄付額の把握が容易らしいんですが、日本ではいくつかに別れているので、総額の把握も容易でないらしくどこかの団体か報道機関が集計せざるを得ないというのも微妙なところです。

結局、高まった注目度をどう持って行くかが本当に重要で、やっぱりASL退治を世界に先駆けて実現すべく、国家戦略として医療イノベーションを進めることを合意形成することに行き着くんではないでしょうか。昨日のイベントでも「安倍総理に届いてほしい」という声も上がっておりまして、やっぱり安倍さんに氷水被ってもらって、同時に個人の寄附じゃなくて、もう予算付けますと宣言してもらうのがいいじゃないでしょうかね。

そういうわけでミッキーがバトンを安倍さんに渡すかと思いきや、北京に住んでいるオバサンとか明後日の方向に行ってしまったのがちょっと残念でしたね。直滑降ダダ滑り大臣閣外の歯ぎしりオジサンにパスしてお茶濁しているし、空気を読まない小泉進次郎さんなら安倍さんにパスする大胆さがあるけど、もう拒否ってしまいしたんでね。並みの政治家ではビビって期待できなさそうです。

で、ここはやっぱり奥様しかないのでは。なので一度、アッキーにバトンを誰か渡せば、すんなり官邸のど真ん中に届くんじゃないでしょうか。ではでは。

新田 哲史
Q branch
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
個人ブログ