北海道に来ています。帯広空港から道東の広尾町まで来て、ビジネスホテルに宿泊しました。
襟裳岬まで車で30分ほどという場所。森進一の唄ではありませんが「何もない街」です。しかし、夏だからあまりバリエーションが無いといわれたにも関わらず、夕食に出てきた海鮮料理は、東京では考えられない贅沢なものでした。
写真は殻付きのウニですが、東京で食べるものとは鮮度が圧倒的に違います。昼間に採ってきた新鮮なものを何もつけずにそのまま食べる。卵の卵黄のようなねっとりとした濃厚な味わいと、口の中に広がる磯の香りがたまりません。
ハイシーズンではないと言われて出されたカキも、圧倒的な鮮度で、生でも軽く火であぶってもいける味です。カニや白身のお魚のお刺身から鍋まで。食べきれないほどの海の幸を堪能しました。
豊かな人生とはどんな人生でしょうか?
私は、人生の豊かさとは、「選択の自由があること」だと思っています。自分でいつでもやりたいことを決めて、それが実現できる。その自由度が高ければそれだけ豊かな気持ちになれると思うからです。東京にいると、そんな選択肢が無限にあります。夜中にラーメンが食べたくなったらお店はいくらでもありますし、世界中のブランドが欲しければ、何でも手に入れることができます。
北海道の片田舎には、そんな選択の自由はありません。コンビニもブランドショップも近くにありませんし、夜になれば、街はひっそりと静まりかえっています。
その代り、東京では絶対に手に入らない、自然があり、新鮮で豊かな食生活があります。豪華な食材でなくても、鮮度抜群の素材が当たり前のように手に入るのです。不便と思うかもしれませんが、情報はリアルタイムで手に入り、人と会う以外の仕事には支障はありません。
本当の豊かさとは、利便性なのでしょうか?東京の狭い空間や汚れた空気の中で、選択の自由を謳歌することが、果たして豊かな人生なのか?
北海道に来て、今までずっと自分の中でモヤモヤしていた疑問が明確になってきました。豊かさには、別の定義もあるような気がしてきたということです。
今回はお仕事でお世話になっている北海道の実業家の武田さんという方にご案内をお願いしています。北海道各地の地元の人しか知らない街を巡りながら、これからのライフスタイルを考える旅になりそうです。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年8月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。