塩分摂取過多だとなぜ高血圧になりやすいのか

アゴラ編集部

よく「東北のヒトは塩分過多だから高血圧が多い」なんて言うんだが、なぜそうなのか、この記事を読むと今まで良くわかっていなかったようです。

東京医科歯科大学の研究者らの発表によれば、ある遺伝子が変異したため、腎臓で塩分を調節しているタンパク質(食塩出納調節因子)が分解されず、塩分を体外へ排出できなくなる、というメカニズムらしい。

この遺伝子は「KLHL3」、タンパク質は「WNKキナーゼ」(※「キナーゼ」はリン酸化酵素)といい、研究が進んで創薬となれば、塩分調節機能不全や高血圧の治療へ役立たせることができるようです。


「KLHL3」という遺伝子が腎臓の「WNKキナーゼ」の量を調節している。東京医科歯科大学のプレスリリースより。

QLife Pro
東京医科歯科大 塩分摂取と高血圧との結びつきを解明


18 Prestigious Jobs With Surprisingly Low Pay
BUSINESS INSIDER
米国の事例なんだが、一般に考えられているほど、評価の高い仕事に報酬がともなっていない、という記事です。え、この仕事なのにどうして驚くほどの低賃金? というわけ。検眼医とかバイオ系や化学系の技術者、予算のアナリスト、建築家、心理学者、会計士と監査役、大学教授、生物学者、議員、栄養士、グラフィックデザイナー、ポスドク、料理人、セラピスト、死体処理人、記者……。これらの仕事は、仕事をするための資格や学歴に比べて賃金が安いそうです。日本と共通の仕事もあれば、そうでないものもある。グラフィックデザイナーや料理人なんかはピンキリでしょう。しかし、米国の議員の平均年収は、39320ドル(約410万円)。これは、市区町村議員の平均給与約750万円(期末手当含む)である日本のほうが恵まれているようです。

Yayoi Kusama to exhibit in London: at 85, ‘the ideas just keep coming’
The Telegraph
水玉ベイズリー大好きおばあちゃん芸術家、草間彌生氏についての記事です。彼女の足跡をけっこう詳しく追跡している。1929年生まれの85歳にして「前衛の女王」の名をほしいままにしています。当方、その昔、グァルティエロ・ヤコペッティ監督の映画か何かで、その「前衛」ぶりを見たことがあるんだが、2012年にも米国のホイットニー美術館で展覧会を開くなど意気軒昂。つきそいの若い女性と掛け合いしながら、東京・新宿の個人スタジオで今も描き続けていることでしょう。この「NEOL」によれば、東京・表参道の「EYE OF GYRE」ギャラリーでカナダ出身のポートレート写真家ベンジャミン・リー氏による草間氏の写真展が開かれているようです(9/6まで)。

This Soviet spy created the US-led global economic system
Vox
米国のフランクリン・ルーズベルト政権下で財務次官補になったハリー・デクスター・ホワイト(Harry Dexter White、1892年10月9日~1948年8月16日)について書いている記事です。ボストンに生まれたホワイトは軍役を経てコロンビア大学やスタンフォード大学などで経済学を学び、その後、「ハル・ノート」の原案となる意見書をホワイトハウスへ提出。コーデル・ハル国務長官と一緒に太平洋戦争直前の米国による対日「最後通牒」とされる「ハル・ノート」を作成しました。戦後のマッカーシズムによる「赤狩り」により、旧ソ連、コミンテルンのスパイと追求されたんだが、議会の委員会へ召喚された直後に心臓発作により死亡。死因には自殺説もあり、実際にスパイだったことも確認されているらしい。この記事では、ホワイトは米国の金融政策と国際金融ルールの礎を作った、と書いている。コミュニストが資本主義の重要な機能作りに関わった、というわけでホワイトの複雑な個性が見え隠れするんだが、今のIMF体制は彼が資本主義に仕掛けた「時限爆弾」なのかもしれません。

戦後の国際金融システムを決めた1944年の「ブレトン・ウッズ協定」会議の場でのホワイト(左)とジョン・メイナード・ケインズ。

Researchers Hack Into Michigan’s Traffic Lights
MIT Technolog Review
交通信号機をハッキングし、外部から操作される危険性を訴える研究者の記事です。交通インフラのネットワークが脆弱、というのは以前から指摘されていたんだが、それを実際にやってみた、というわけ。米国ミシガン州の場合、ワイヤレスでネットワーク化された交通信号機は、クルマの検出、点滅間隔のコントロール、無線通信システム、災害時などに機能する故障感知などで構成されているらしい。この無線通信に同じ周波数で入り込めば、特に暗号化されていないため、容易にシステムに侵入できる。しかし、これら交通インフラのセキュアを完ぺきにするには莫大な予算が必要でしょう。


アゴラ編集部:石田 雅彦