祝、錦織選手が全米オープン決勝進出! アメリカでの反応は? --- 安田 佐和子

アゴラ

錦織圭選手(24歳)、やってくれました!日本人で初、全米オープンにてグランドスラム(他に全英オープン、全仏オープン、全豪オープン)決勝進出です!!

本日のニューヨークは太陽がコートを無情にも照りつけ、華氏100度(摂氏37.8 度)に達する真夏日。湿度も70%を超え決して環境には恵まれていなかったにも関わらず、2時間52分の死闘の末、偉業を達成してくれました。

第10シードの錦織選手が第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)選手に勝利した世紀の試合後、各ニュースのヘッドラインは以下の通り。

Nishikori Makes Tennis History Becomes First Asian Man In Grand Slam Final
錦織、テニス史に歴史を刻む:アジア男性選手として初の決勝進出へ—AFP
(錦織選手のコーチ、マイケル・チャン氏は全英以外で決勝戦に到達してますが台湾系とはいえアメリカ人だからカウントしなかったのでしょうか。)

New Day Dawns for Nishikori : Kei Nishikori Reaches U.S. Open Final, Beating Novak Djokovic.
錦織に新しい夜明け:全米オープンでノバク・ジョコビッチに勝利—ニューヨーク・タイムズ紙

Kei Nishikori upsets Novak Djokovic to reach U.S. Open final

錦織圭、ノバク・ジョコビッチを倒し全米オープン決勝へ—ロサンゼルス・タイムズ紙

Nishikori Into US Open Final
錦織、決勝進出—ESPN

Japan’s Nishikori Beats Djokovic, Making History; Federer Falls To Cilic
日本の錦織、ジョコビッチを打破し偉業を果たす:フェデラーもチリッチに敗北—NPR

数々のヘッドラインに、日本人として感慨にふけってしまいますねぇ。

ユニクロ対決、錦織選手に軍配が上がる。ニュースを知って身体が震えました!


(出所 : AFP)

なかでも、USAトゥデーの記事は秀逸。NY時間午後7時の時点で6600件も共有された記事のタイトルは「9 Things To Know About Surprise U.S. Open Finalist Kei Nishikiori(全米オープンでまさかの決勝進出を果たした錦織圭選手、知っておく9つのこと)」。試合前、主要ブックメーカーのオッズでは世界ランキング1位のジョコビッチ選手が1.13倍に対し11位の錦織選手は5.5倍で大穴だっただけに、ヘッドラインに「サプライズ」の文字が踊ります。では、同紙が挙げた知っておくべき9つの事実をみてみましょう。

1.アジア人初、グランドスラムで決勝進出

1918年に熊谷一弥選手がベスト4出場を達成してから、96年後に決勝進出を決めた錦織選手。ファイナルは7日、NY時間8日の午後5時からスタート。東京では9日の午前6時ですから、会社で遅刻者続出となったりしそうですね。

2.ジョコビッチ、年下の選手に初めて敗北

27歳のジョコビッチ選手はロジャー・フェデラー選手(33歳)、ラファエル・ナダル(28歳)など年上の選手に打ち負かされた経験はあっても、年下には皆無。24歳の錦織選手こそ、初めて苦杯を与えました。

3.今回のUSオープンで、錦織選手は世界ランキング5位、3位、そして1位に白星

決勝戦へ勝ち上がるまでに、錦織選手は5位のミノス・ラオニック選手(カナダ)、3位のスタニスラス・ワウリンカ選手(スイス)、そして1位のノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)を倒してきました。決勝戦では、同じく大番狂わせでロジャー・フェデラー選手を打ち負かした16位のマリン・チリッチ選手(25歳、クロアチア)と顔を合わせます。

4.錦織選手のマスターズ1000以外で優勝経験5回、ジョコビッチはグランドスラム7回

ジョコビッチ選手が世界ランキング1位とあって世界4大大会(グランドスラム)での優勝経験は7回と華々しい一方、錦織選手はデルレイビーチ国際選手権を含め優勝経験は5回ながらマスター1000(4大大会に次ぐ9つの大会群)はゼロ。ただし、マスター1000の優勝経験がなかったワウリンカ選手は全豪オープンで優勝しており心配無用です。

5.コーチは台湾系アメリカ人のマイケル・チャン氏

全仏オープンで優勝したマイケル・チャン氏が師匠であることは、日本ですっかりお馴染みでしょう。

6.2013年全米オープンで、錦織選手は初戦敗退

昨年の全米オープンでは世界ランキング174位のダニエル・エバンス選手(英国)にストレート負けを喫した錦織選手、地獄から見事な生還です。ちなみに過去にはセリーナ・ウィリアム選手(米国)が2012年に予選落ちしてから2013年に優勝、シュテフィ・グラフ選手(ドイツ)も1994年に1回戦で敗北してから1995年に頂上まで上り詰めました。

7.テニス史上初、長時間の激闘後に勝利を飾った選手に

ベスト8で対戦したラオニック選手との試合時間は4時間19分にも及び、試合終了時間は大会史上で最長に近い。過去に4時間以上にわたるマラソン試合は4回あったが熱戦を制した勝者は次のラウンドを落とす傾向にあり、錦織選手はここでも歴史に名を刻んだことになります。

8.ナダル選手のコーチ、「錦織はラファエルを圧倒していた」

ラファエル・ナダル選手の伯父でコーチを務めるトニ・ナダル氏は、今年の春にマドリードのクレーコートで一戦を交えた後に「錦織選手は勝利に値する。試合中、ラファを圧倒していた」と高く評価。当時、ナダル選手は背中の痛みに耐えかねて途中棄権していました。

9.錦織選手、チリッチ選手との対戦成績は5勝2敗

錦織選手、決勝戦で対戦するチリッチ選手と戦績は5勝2敗。ちなみにフェデラー選手とは2勝2敗でした。初優勝に向け日本中から世界中の日本人から、大きな期待がかかります!

(カバー写真:AP)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年9月6日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。