ダウ平均は、年初来で最大の下げ幅を示した翌日に買い戻されず。ますます調整色が強まって参りました。年初来リターンも、本日の下落でマイナスに転じています。
ダウ平均 16544.10 -115.15 -0.69%
S&P500 1906.13 -22.08 -1.15%
ナスダック 4276.24 -102.10 -2.33%
ダウ平均の出来高 1億3640万枚 前日比 9320万枚 10日移動平均 8520万枚
ダウ平均は続落。年初来で最大の下げ幅を示した翌日とあって、買い戻しで始まった。ただ米9月輸入物価指数が予想ほどではなかったとはいえ低下を示し、ディスインフレ懸念が募ったことで上げ幅を縮小。前日引け後に暫定決算で売上見通しを下方修正した半導体メーカーのマイクロチップ・ テクノロジーをはじめ関連銘柄が株式相場のモメンタムを押し下げたほか、格付け会社S&Pがフィンランドの格付けを最上級の 「AAA」から「AA+」へ引き下げ、前日終値を上下する動きをみせた。
16600ドル割れに走るサポート、 200日移動平均線を意識するなかで中盤には買いが再燃、一時は98.35ドル高の16757.60ドルとまで本日高値を更新。もっ とも一目均衡表・雲の下限にぶつかると頭打ちとなり、終盤にはS&P がフランス格付け見通しを「安定的」から「弱含み(ネガティブ)」に引き下げたこともあって、再びマイナス圏へ転落した。8月15日以来初めて16600ドルを割り込むと200日移動平均線も下抜け、一時は115.34ドル安の16543.91ドルまで下げ幅を拡大。ほぼ安値引けし、8月8日以来の安値で取引を終えた。S&P500とナスダックも大幅続落。S&P500は終値ベースで5月22日以来の1900p割れが接近、ナスダックは6月12日以来の4300p割れでクローズした。週足ではS&P500は年初来で最悪、ナスダックにいたっては2012年5月以来で最悪を示している。
以上のように、本日は年初来からサポートとなっていた200日移動平均線を割り込んでしまいました。戻りを試す局面でも一目均衡表・雲の下限で阻止されており、MACDをみてもチャートは一段安のリスクを点灯させています。
ダウ平均、最後の砦だった200日移動平均線をブレーク。
ナスダックも、200日移動平均線割れ。
S&P500は、何とか首の皮一枚つながっている状態
(出所:Stockcharts)
本日の下落要因は、何と言っても半導体関連。引き金となったマイクロ チップ・テクノロジー、前日引け後に発表した7-9月(第2四半期)暫定決算で、売上高見通しをISSCの買収効果1690万ドルを含み 5億4620万ドルとしました。7月末時点の5 億6000万-5億7590万ドルから、下方修正しています。さらに悪いことに業界の調整が開始したと説明したほか、中国での需要が9月に特に弱かったため他社も業績見通し下方修正を余儀なくされると警告を発していたんです。関連銘柄が反応しないはずもなくインテルは5.1%安、マイクロン・テクノロジーが 9.3%安、ブロードコムも5.5%安と軒並み売られました。
10月28—29日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での量的緩和(QE)終了を控え、米株には1月後半から2月前半にかけての下落相場が再来したといえそうです。一方でBTIGのストラテジスト、ダン・グリーンハウス氏は、第3四半期入りの10月1日に早くも年初来から10%下落に調整入りしたラッセル2000には「底打ちのシグナルが現れた」と強気スタンスを維持。50日移動平均線を上回る銘柄が構成銘柄のうちわずか17%と指摘した上で、「ボトムアウトの兆候」と豪語していました。
2月と8月に200日移動平均線割れでの底打ちを確認したように、来週の決算発表が相場反転の起爆剤となるのか。もしくは、8月7日の安値16330ドル付近を抜け2月5日に示現した15500ドルを試しにいくのか。米株相場は今、運命の分岐点に立ったと言えるでしょう。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年10月10日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。