楽天の社員は、焼き鳥店で英語の接客ができるのか? --- 内藤 忍

アゴラ

昨日は夕方から、アメリカからゲストを招き、参加者限定のアメリカ不動産セミナーを開催しました。終了後向かったのが、渋谷のガード下にある焼き鳥の名店「森本」です。

カウンター中心の小さなお店。ここではコースを選んで、お好みで追加注文するのが良いです(写真はコースに入っていない軟骨)。寒くなってきたこの時期は、コップになみなみと注いでくれる熱燗がベストマッチです。ご飯ものは置いていないお店ですから、サクッと食べてサクッとお会計するのがマナーのお店です。


いつ行っても、ご主人と思われるシニアの男性が、半袖のシャツにうちわという格好で焼き鳥を焼き続けています。安定した味わいで、いつ行っても安心して食べられる変わらないお店なのですが、久しぶりに行って変わったことが1つありました。

それは、来店する客層とお店の接客です。

以前はほぼ100%日本人で占められていたと思うのですが、昨日のカウンターのお客さんの3割程度は、外国人。ちなみに私の横にもイタリアン人のカップルが座っていました。海外のガイドブックやレストランサイトに紹介されたのだと思いました。

ゴンボや血きもといった、日本人にもわからないようなマニアックなメニュの焼き鳥。外国人がどうやって注文するのだろうかと思って心配していると、何と英語のメニューが登場。しかも、店員さんの1人は、英語で接客をしているではありませんか。この手のお店では、外国人が来ると店員が尻込みするパターンが多いのですが、店員さんがおススメのメニューまで説明していました。例えば、東京軍鶏やしそ巻といった部位を英語でどうやって説明するのか。かなり高度なボキャブラリーです。

そこで思い出したのが、楽天の「英語の社内公用語化」でした。2010年初めに社内の公用語を英語にするという方針を打ち出しました。TOEICのスコアを社員の昇格条件にすることで、社員の危機感を高めた結果、3年半で全社員の平均スコアは250点以上アップ。800点以上の人も半数というレベルに一気に到達したそうです。

東京は2020年のオリンピックを控え、これから急速に国際化が進むと想像します。その時に必要になるのが、英語でのコミュニケーションです。森本の店員さんのように、例えブロークンであっても、意思を伝え、相手の意見を理解できれば、TOEICのスコアは必要ありません。

楽天の社員が、森本で働いたら、外国人にどんな接客ができるのでしょうか?

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年10月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。