日本で、日本人向けに「日本人価格」をつける時代。

加藤順彦MSC

クラークキーの橋んとこ、シンガポール名物の1ドルアイスも1.5ドルにインフレしていた。一年ほど前に1.2ドルになったのに、いつの間にやらどーんと騰がってた。

いま92円だから、1.5シンガポールドルで138円だな。

シンガポールドル円60円台だった三年前はまだ1シンガポールドルだったから、倍以上になっている計算になる。

ひと昔前は日本人に通貨って米ドルと日本円の軸しかなかったように思う。
が、いまやドル円が116円がどうのというより、人民元もASEANの各国ドメ通貨の米ドルとの為替で考えても…現地通貨と日本円との価値比が、かつてない…戦後ない水準なんだな。

人民元/ドルでも人民元の価値が上がっているので、人民元も円に対して高くなってる。5年前と比べると1元=当時12円が19円・・・。もはや、上海や北京、深センは、日本と大してかわらん物価なのだ。

要するにアジアの主要都市の衣食住サービスの価格が、日本のそれをどんどん上回っていってる。

つまり、もう日本で稼いだ金で海外で暮らすってリタイアプランは過去の話になってきている。むしろ海外の人が、老後を日本で過ごした方が安くなる時代が来るのだろう。日本のほうが生活品質も高そうだしね。裏を返せば、日本人も海外に出稼ぎに行かなければならない時代が来ているのかもしれない。

かたや、これだけ円安になっているのに、東証の銘柄は一部以外は株価変わってない。海外からみたらこの1ヶ月で普通に1割2割は全体的に安くなってるように見える。

俯瞰しても、日経平均のドル建はこんな感じなのだ。
http://www.marketnewsline.com/apps/market/quotes?lang=ja&r=12m&c=1010&t=large&more&with=vma

アジア各地の日本人相手の商売には長い間「日本人価格」って、実際の値段よりは割高な値段設定があった。今もあるだろう。

でも僕がシンガポールに移ってきたとき(2008年6月)から、DAISOは2シンガポールドル均一なんだけど、いまやシンガポールドル/円が92円だから、シンガポール人が東京のDAISOにいったら、価格は母国の半額なわけで、そりゃアジアの人が昨今、東京で買い物したくなるわけだわ。

むしろ、これだけアジアの現地価格が日本の同機能の衣食住サービスに近似してくると、もとより日本のそれのほうが高品質なわけだから、ガイジン向けには高くしてもいいような気がする。

即ち、日本のなかでの日本人向けに割安な「日本人価格」をつけるのだ。