Googleがパズルゲーム本に巨額賞金を出す理由

アゴラ編集部

米国などで話題になっているゲーム本があります。MITの教授が作ったパズルをテーマにした『ENDGAME THE CALLING』というもの。本だけではなく、Googleの位置情報ゲーム「Ingress」を開発したNiantic LabsがARゲームを制作し、2016年にはハリウッドで映画も作られるらしい。仕掛けが大がかりで日本でも10月に本が出ています。


さらに興味深いのは、この本のパズルを解いた人、もしくは団体には、Googleから賞金が贈られる、ということでしょう。1巻目のパズルを解いた人には50万ドル(約5700万円)、2巻目は100万ドル(約1億1500万円)、3巻目はなんと150万ドル(約1億7000万円)と宇宙旅行、さらにGoogleが開発した新技術の権利、というなんとも豪勢な話になっている。

本の内容は、12人の少年少女が破滅を目前にした世界で、それぞれの「血族」のサバイバルをかけて戦う、というもの。全体がパズルになっているという内容もさることながら、Googleやハリウッドがからんだ大がかりなメディアミックス展開とともに話題になっている、というわけです。

12人の登場人物と「血族」には、竹田千代子なるキャラと日本人もいます。彼女、どうも那覇マラソンにエントリーして走るらしい。登場人物のTwitterもあります。同じように世界各国の登場人物が設定され、世界市場を見据えた販売戦略が練られていることがわかる。ちなみに日本版の翻訳者の一人は、小説家の金原ひとみ氏の父、金原瑞人氏です。

しかし、いったいどうしてGoogleが出版分野に興味を持つようになったのか、ちょっと疑問です。単にARゲームを作る、ということだけではない、何か大きな目的があるように思うんだが、どうも一つの魅力的なコンテンツからアナログからデジタルまでカバーするプロジェクトのテストケースを模索しているような気がします。果たして日本でもヒットするかどうかも注目。とりあえず、パズルゲームで大金を目指してみませんか。

すでに映画版『ENDGAME The Calling』のトレイラーがアップされています。

Gigazine
Googleの全世界を舞台にしたARゲーム「エンドゲーム」とは?


We just landed a spacecraft on a comet for the first time.
Vox
欧州宇宙機関(ESA)は日本時間で11月13日未明、彗星探査機「ロゼッタ」が放出した着陸用小型機「フィラエ」を彗星「チュリュモフ・ゲラシメンコ(67P)」の表面に着陸させたようです。欧米のメディアは、日本が小惑星探査機「はやぶさ」を成功させたときのように大喜びしている。この「チュリュモフ・ゲラシメンコ」は長さが約4キロほどの彗星で実態は氷と宇宙のチリが集まったものです。地球からは約5億キロ離れているんだが、ESAは2004年に「ロゼッタ」を打ち上げ、ようやく彗星に到着し、小型機を着陸させることに成功させた、というわけ。「はやぶさ」と違うのは、小型機は着陸したまま、という点。彗星の構成物を持ち帰って還ってくるようなことはしません。


「ロゼッタ」から分離される小型機「フィラエ」。提供:ESA

Jeff Goldblum Is Off The Market Completely
BuzzFeeD
ハリウッドの「怪優」といえば、たくさん思い浮かぶんだが、このジェフ・ゴールドブラムという人もその一人でしょう。記憶に新しいのは「ハエ男」を演じた映画『ザ・フライ』です。恐竜映画『ジュラシック・パーク』や映画『インデペンデンス・デイ』も強烈な印象を与えています。これは、そのジェフ・ゴールドブラム(61歳)が先日、30歳年下の女性と三度目の結婚をした、という記事。ハエのオスは精力絶倫という描写が『ザ・フライ』にあったんだが、彼自身はどうなんでしょうか。

No link found between movie, video game violence and societal violence
SCIENCE
暴力的な映画やテレビ、ゲームなどの表現に影響され、視聴者やプレイヤーがフィクションと実生活との区別がつかず、暴力的な言動をしがちになる、ということはけっこう一般的な「常識」のようになっています。しかし、この記事で紹介されている研究によれば、これら暴力的フィクションと現実世界の暴力事件などの発生率の間には明らかな関係はみられなかったらしい。暴力事件の背景にあるのは、貧困や教育、社会的格差や差別、精神的なフィジカルな影響、といったものであり、映画やテレビ、ゲームなどの影響を際立って声高に言い立てるのは問題の本質から目を逸らせることになる、と警鐘を鳴らしています。

KKK rebrand: Blacks, Hispanics, gays & Jews now welcomed by Ku Klux Klan
RT
米国のレイシスト秘密結社「KKK(KuKluxKlan、クークラックスクラン)といえば、白人至上主義者の極右団体として有名です。目だけ出した白い三角頭巾が特徴。黒人やアジア人、ヒスパニックなどのマイノリティを迫害し、白人のプロテスタントこそ神から選ばれた存在として、ここ半世紀ほどはメンバー数を激減させたものの、150年近くも米国内でしぶとく活動しています。ただ、その勢力は存亡の危機を迎えているらしく、この記事によればモンタナのKKKが人種を問わず広くメンバー募集し始めたらしい。KKKといっても単独の団体ではなく、全米に大小35ほどもある様々な趣旨の団体がバラバラに活動しているようです。


アゴラ編集部:石田 雅彦