成果を出すには、辛い時に「笑顔」になれる方法を考える --- 内藤 忍

アゴラ

1月公開の映画「神様はバリにいる」の試写会に行ってきました。バリ島に実在する主人公の破天荒な生き方を映画化した心温まる作品。コミカルな演技が素晴らしい堤真一さんが舞台挨拶でも光っていました。

この映画で印象に残ったのは「失敗したときこそ笑え」という主人公の言葉。笑うことこそ、成功するための秘訣だというのです。怪しい自己啓発セミナーで聞くような話ですが、一理あるようにも思いました。笑顔のあるところには人が集まってくるからです。


最近出かけたとあるレストランは、ワインも料理も極めてレベルが高く、立地も都心のど真ん中。でも週末の店内は、ナゼか閑散としていました。料理を食べ終わって、気が付いたことは「このお店には笑顔がない」ということでした。

レストラン経営でも、それ以外のビジネスでも、大切なのは「人」です。良い人材が集まってきて、その人たちが最高のパフォーマンスを発揮すれば、合成されたパワーは絶大なものになります。人が集まってくるために必要なこと、そしてその人たちがベストパフォーマンスを出すために必要なのが、笑顔があって楽しく働ける環境作りなのです。

仕事はいつも楽しいことばかりとは限りません。うまくいかない時や思い通りにならない時が必ずあります。そんな時こそ、笑顔でポジティブになれる方法を考えて実践すべきです。

1999年のマネックス証券の立ち上げ時には、毎日信じられないようなトラブルが頻発しました。「会社が潰れるのではないか」「もうダメなのではないか」……そんなどん底の気分になった時、やってみたのが「スキップ」でした。オフィスの中をスキップしてグルグル走り回る。傍から見ると、「ついにコイツは、いかれてしまったか」と思われるような行動ですが、やってみると楽しくなって、気分がスッキリ。それを見ていた周囲の人もそれまでの硬い表情が少し変わったように見えました。

気分が変わると、またやり直してみようという気分になります。不思議なもので、楽しい気分になると、何だか元気が湧いてきて、やる気スイッチが入るのです。そうやって、何度もトラブルと格闘しているうちに、自分の想像を超える大きな成果がやってきました。

人間は機械ではありません。ちょっとした気持ちの切り替えだけで、成果が大きく変わってきます。

いつも笑顔の人のところには人が集まってきます。誰もが楽しい人と楽しく時間を過ごしたいと思っているからです。これは仕事でもプライベートでも同じです。

だから困難やトラブルに陥った時こそ、自分を笑顔にする方法を考えていく。そうすれば、きっと周囲に人が集まってきて、困難な状況から抜け出す方法を誰かが教えてくれるはずです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年12月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。