スーパーマリオのバズーカ砲で、リスク・オン相場突入 --- 安田 佐和子

アゴラ


欧州中央銀行(ECB)定例理事会後、ドラギ総裁が放ったスーパーマリオのバズーカ砲で相場は一気にリスク・オンに突入したかのようです。

Money Morningのエリン・ロー氏、1枚の絵にまとめてくれました。


(出所:Money Morning)

おかげで、ダウ平均は大幅に4日続伸。ドラギ発言を受けて寄り付きから急伸するかと思いきや、立ち会いに17600ドルを超えてから、米新規失業保険申請件数を気にして一時は71.74ドル安の17482.54ドルまで下落。そこから怒濤の買いが入り、50日移動平均線および一目均衡表・ 雲の上限が走る17700ドル超えではショートスクィーズも巻き込んだのか、一気に上げ足を加速していきました。一時286.61ドル高の17840.89ドルまで切り上げ、2週間ぶりに大台維持して引け。 S&P500とナスダックも大幅に4日続伸。ダウ平均と異なり、それぞれ2014年12月30日以来の高値で取引を終え年初のリターンをプラスに反転させました。

S&P500、ブル・サインが点灯。


(出所:Stockcharts)

市場関係者がそろってブルな見方に傾くなか、株式相場は27-28日開催のギリシャや米連邦公開市場委員会(FOMC)、30日発表の米10-12月期国内総生産(GDP)速報値で梯子を外されなければ、上昇モード路線をひた走る期待が高まります。鬼門は米1月雇用統計。米新規失業保険申請件数が労働市場のモメンタム失速を示唆するなかで、過度な楽観は禁物でしょう。サウジアラビアのアブドラ王の死去で、中東情勢にどのような変化が生じるかも気になります。

為替をめぐっては、ゴールドマン・サックスをはじめ多くの為替ストラテジストが2016年末のパリティを予想するように、ユーロ安まっしぐらの予感。この方いわくECBの緩和策は「仮に1ユーロ134円としても日銀の緩和ペースは月額516億ユーロ。ECBの勝ち、となり、ユーロ円も下げ方向を見ておくべきなのだろう」といいますから、対円でも円高傾向を強め欧州ブランドのお買い物しやすくなりそうですね。

(カバー写真:Richard Drew/AP)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2015年1月22日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。