「アギーレ解任」は仕方なかったのか

アゴラ編集部

2月3日、突然、日本サッカー協会(JFA)がハビエル・アギーレ日本代表監督との契約を解除したことを発表しました。昨年の秋ごろに八百長疑惑が取り沙汰されて以降、JFAや関係者、メディアが振り回され、ファンなどがヤキモキしてきた問題に一定のケリがついた、ということになります。


門外漢から見ると、そもそも問題ありそうな人物をどうして監督に招聘したのかという点がずっと疑問でしたが、JFAは「知らなかった」ということで押し通しているようです。実際、スペイン1部リーグでのあからさまな疑惑は、2014年9月にスペイン現地紙が報じるまで衆知のことではなかったらしい。スペイン語メディアを含めてネット上を渉猟しても、9月以前にそれらしい記事は発見できません。

また、日本では代表監督の解任、ということで注目を集めていますが、スペインでは選手を含むサッカー関係者30数名が訴追され、もっと大きな騒ぎになっています。スペインの検察当局もこの2月25日から容疑者を出頭させて事情聴取を始める、と発表。聴取や捜査が進めば、アギーレ元監督は満足に日本代表チームのマネジメントができなくなる可能性は十分にありました。このタイミングでのJFAの決断を遅かった、という意見もありますが、本人はあくまで潔白を主張していることもあり、アジアカップもあり、6月には2018年W杯ロシア大会のアジア1次予選も始まり、なかなか悩ましい判断だったと思います。

サッカー男子の日本代表監督で途中解任といえば、1998年のW杯予選で結果を出せずに更迭された加茂周氏がいました。また、健康問題ではイビチャ・オシム監督の退任が記憶に新しいところです。しかし、八百長疑惑で解任されるというのは、門外漢の当方だからかもしれませんが、ちょっと聴いたことがありません。

サッカーといえば、トトカルチョが有名なくらい「賭博」と縁の深いのもサッカーです。イタリアや日本ではこれがサッカーくじになりますが、英国系諸国では賭けの対象になっています。香港にはサッカー賭博があり、世界中のリーグを対象にして老いも若きも賭けに熱中。当方の香港人の友人は、Jリーグ情報をまとめてネットかどこかで香港で売り出せば、けっこうなビジネスになる、と言っていたほどです。

賭けの対象になれば、そこに八百長の誘惑が忍び寄って来ることも容易に想像できます。サッカーでは、一部リーグの人気チームが買収されたり、投機の対象になったりすることもある。世界のプロサッカーには数年間で1000件近い八百長疑惑があった、という調査もあり、またラテン系や発展途上国出身者など、関係者や選手のモラルも八百長が横行する背景にあると指摘する人もいます。

JFAにしてみれば、まさかメキシコの代表監督やスペインの一流チームの監督を務めて成果を上げた経験がある人物に、こんな疑惑がまつわりついていたとは想像もできなかったんでしょう。しかし、火のない所に煙は立たないという話もあり、どれだけ身辺調査を厳密にやったのかと問われれば、答えに窮する部分もあると思います。JFA内部の責任問題が単なるトカゲの尻尾切りにならないことを祈ると同時に、ザッケローニ再任論や日本人監督論など、すでに百家争鳴状態になっている後任監督人事についても、しっかりコントロールして欲しいものです。

サッカーキング
6割が「支持する」と回答…アギーレ解任を受け緊急アンケートを実施


‘Missing Oil’ from 2010 BP Spill Found on Gulf Seafloor
livescience
米国のメキシコ湾岸で大量の原油が流出する事故があったのは2010年のことでした。まだそんなに前に起きたことではない。この事故、海底油田を掘削していたBP社の施設で原油が気化した天然ガスに引火し、爆発して掘削パイプが折れて大量の原油が海洋へ流れ出たというもの。流出量は1日あたり2万5000バレル。1991年の湾岸戦争時にイラクやクウェートの原油掘削施設が破壊されて流れ出た量に次ぐ汚染だとされています。事故から5年が経とうとしていますが、深海の事故現場は手つかず。依然として大量の原油が流れ続けているらしい。つまり、米国政府やBP社はもう過去のことにしようとしているのにも関わらず、実際は「まだそこにある危機」ということ。表題の記事によると、海の底から流れ出た原油は、メキシコ湾の底に沈降し、溜まっているそうです。流出量と回収量、環境中への放散量などから計算しても、どうも尺の合わない量の原油がどこかにある、というのはずっと言われていたらしい。最近になって大量の原油の塊りがぽっかり姿を現して、メキシコ湾の底が大変なことになっているのでは、と問題になり始めている、というわけです。

Iceland to build first temple to Norse gods since Viking age
the guardian
スカンディナビアやデンマーク、アイスランド、さらにドイツなどを含むゲルマン民族の諸国には、キリスト教伝来以前の北欧神話があります。サガ(saga)といった散文文学やワーグナーがオペラにした『ニーベルンゲンの歌』のようなものに北欧神話の痕跡が残っている。これはギリシャ神話のような多神教の世界で、キリスト教という一神教と混交しつつ、現在でもサンタクロースなどの形で存在を主張していたりします。この記事では、ヴァイキング以来の北欧の神々を祭る建造物、つまり神社がアイスランドに初めて作られた、と書いている。アイスランドでは、北欧神話の神々に対して祈る行為が人気を集めているようです。宗教はアヘンである、と嘆息とともに言ったのはカール・マルクスですが、いわゆるイスラム国の問題など、依然として悩ましい問題であり続けています。

The Oregon Pint, A Custom-Blown Pint Glass Featuring a 3D Model of Mt.Hood Rising From the Base
Laughing Squid
同じようなものは、すでにサイト上にみかけなくなった韓国のデザイン集団TALEというところが作ったマッターホルンのグラスなんてものもあります。韓国デザインなので、パテント関係で問題があったとかで、どこかへ消えてしまったんでしょうか。この記事で紹介しているのは、米国オレゴン州のグラス。クラウドファンディングで資金を集めているようです。

ホンダの新型軽自動車は高価格なグレードが売れている
cliiccar
消費増税後の景気後退の中、わりに快調だった国内の軽自動車売れ行きですが、ここへきて大きく減速し始めているようです。すでに飽和状態、といったところで、地方は若い世代の需要を一通りまかなってしまった、ということでしょう。この記事では、そんな軽自動車もオプションをおごった、高価格帯のタイプがラインナップの中でも売れている、と書いている。これも需要が一回りした結果なのかもしれません。

軽自動車の中で「高級感」を売りにしているホンダの「N-BOX SLASH」のHPより。


アゴラ編集部:石田 雅彦