米1月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比17.6%増の5万3041人だった。過去6ヵ月間で3回目の増加となり、2013年2月(5万5356人)以来の高水準。2014年12月からは、62.5%増加している。原油安を背景に、人員削減予定数のうち40%はエネルギー関連が占めていたという。
4大地域別では、3地域が増加。西部が前月比196.5%増の3万1575人だったほか、南部も21.4%増の8060人となる。シェールブームの恩恵を受けた州を含む地域での減少が目立つ。東部は32.4%増の8205人。中西部のみ43.2%減の5201人だった。
シェールブームは、西部と南部が中心。
(出所:Shalebubble)
各地域の産油量は産油国を上回るほど。
(出所:Fortune)
発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、1月の結果を受け「原油関連の人員削減がセクターは採掘・探索の分野を巻き込んだとみられる」と指摘。米経済はシェールブームに乗って拡大してきたものの、今後は原油安に伴う雇用減少が打撃となり「小売をはじめ建設、外食、娯楽などあらゆるセクターで大幅な人員削減をもたらす可能性がある」と悲観的な見方を寄せた。2014年12月に示した「2015年は職探しに良い機会となり、新しく就いた仕事の確保にも安心感が高まる」とのスタンスから、一変させている。
人員削減予定件数のセクター別をみると、1位はエネルギーで2万193人だった。足元で油田サービスのシュルンベルジェが9000人、ベーカー・ヒューズも7000人、2位はホリデー商戦明けの小売で6699人が入り、JCペニーやウェット・シールが押し上げている。3位は金融で5375人となった。
採用予定人数は8774人と、2014年12月の7332人から増加した。ただし、足元は2ヵ月連続で1万人割れにとどまる。1位は前月と同じく自動車で2035人。ガソリン価格の下落を背景に米1月新車販売台数が好スタートを切ったように、順調なペースを保った。2位輸送で1500人、3位は通信で1050人だった。なお小売は2014年9-10月の2ヵ月連続で1位、11月も1200人で4位だったものの、前月に今回も0人に終わった。
——以上、人員削減予定件数はやっぱり原油安の影響を色濃く映し出しました。石油メジャーはそろって設備投資を削減するなか、再編・効率化を目指し雇用を削減させてもおかしくありません。シュルンベルジェなどに続き、ウェザ—フォード・インターナショナルも本日5000人のリストラを発表。米新規失業保険申請件数は足元で堅調なペースを維持するものの、ラグを伴って顕示化しそうです。
(カバー写真:Mike Segar/Reuters)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2015年2月5日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。