韓国と手を切る戦略 2 --- 井本 省吾

アゴラ

前回のブログ「韓国と手を切る戦略」で筑波大学の古田博司教授の「(韓国を)助けない、教えない、関わらない」の「非韓三原則」を紹介した。その古田氏が昨年著した「醜いが、目をさらすな、隣国・韓国!」(WAC)を読んだ。


朝鮮研究者として韓国滞在生活の長い古田氏は「韓国の民衆は好きだが、支配層、知識層は大嫌い」だと、本書の前書きに書いている。前者が「率直・単純・端的・直入・きんきら・のびやか・あっけらかん」なのに対し、後者は「ウソつき・ほら吹き・卑劣・ごますり・ふまじめ・エラそうな・見栄っ張り」だからだ。

私の韓国体験はわずかだが、ほぼ古田氏に同意する。ただ、知識層でも夜、くだけた雑談をすると、前者の「率直・のびやか」な人も多い。古田氏も「根は正直」と書いている。

だが、韓国は支配層・知識層を中心に、日本を悪者にし、歴史を改ざんし、反日を貫かないと自らの威信が保てず、政治外交的にやっていけないという精神状況にある。それを改めるのは困難で、中国と一緒になって今後ますます反日活動を強めそうだという。

この中韓に対し、日本人はどういう態度で接するが望ましいのか。古田教授の示すポイントは次の3つだ。

第一に、日本のお家芸だった対中位負け外交をすてること。いまの中国は(日本人が学び、尊敬し、ために位負けしてしまう--引用者注、以下同じ)かつての孔子の国でもなければ、古代文明の伝統も引き継いでいない

第二に、アジア主義を諦めること。日本人がいくら頑張っても彼らには日本と連帯する意思はない

第三に、(過去の歴史を)贖罪するふりをして、彼らに同情しないこと。同情に付け込んでさらに要求度を高めてくる

この古田案に対し日本のリベラル派は、そして(少なからず)保守派も「そういう対立姿勢は良くない」と首をふりがちだ。彼らの殺し文句は「そんなことをすると、日本はアジアで孤立するぞ」である。だが、古田教授はいう。

世界で孤立しているのは実は日本ではない。東洋的専制主義の彼らのほうなのだ。それが証拠に、日本は東アジア以外のアジアとは関係良好である。(歴史を振り返れば)日本は元来、東アジアの一員などではなかった

その上で「助けない、教えない、関わらない」の非韓三原則を提唱する。ただ、問題は対中戦略の立場から韓国との協調を日本に強いる米国の政治家や政府高官、知識人をどう説得するか。この点について、古田教授は「日本は米国に次のように説明するのが良い」と具体策を書いている。

(一)反日が国是の韓国は、日本の領土(竹島)を奪い、日本を仮想敵国として軍事演習を行っている

(二)韓国は日本の元首を侮辱し、日本国民の不幸を祈念する、邪悪な対日敵対宣伝行為を全世界的に繰り広げている

(三)(日韓基本条約などの)国際的な基本条約、協定を反古にする司法に政府が加担し、三権分立を悪用するのみならず、反日の過去訴求法を実施し、自由民主主義に反する国民弾圧を行っている。もはや日本には韓国と共有する価値観は存在しない

この上で日米同盟を強化する道を説き、日本自らの国防力を高めるのが望ましいと古田氏はいう。

基本的に賛成である。こうした考え方を日本全体に広める必要があるだろう。


編集部より:この記事は井本省吾氏のブログ「鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌」2015年3月18日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった井本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌をご覧ください。