恵まれた人だけが努力ができ、結果に結びつく

松本 孝行

あるサイトでイーロン・マスクという方が話した内容が載っていました。おそらくかなりバズっていたので、知っている人も多いと思いますが「週に100時間働けば誰でも世界トップレベルになれる」と話したという内容です(「週に100時間働けば、誰でも世界トップレベルになれる」。ジョブズを超えた起業家、イーロン・マスクが卒業式で語った5つのコト)。

なかなか強烈でインパクトのある話ではありますが、この話は2014年に南カリフォルニア大学の卒業式で話された内容だそうです。つまり今から働きに出る大学生への餞の言葉というわけです。で、あればこの話も納得が行きます。アメリカの大学を卒業できるということは、それだけ恵まれた立場にいる人達だからです。


この話を他の途上国で言えば、それはまずありえないということになるでしょう。未だに世界には貧困地域も多く、仕事もない国がたくさんあります。そしてそこでは毎日遠くまで水を汲みに行く仕事をしている少年・少女もいます。水汲み・洗濯・料理に田畑を耕したりと、生きるために必死で仕事をしている少年・少女がいます。こういった生きるための仕事にきっと週に100時間以上費やしているでしょう。

もっと言えば週に100時間働くこと以外にも4つのことをイーロン・マスク氏は伝えたようです。しかしそれらの内容も、途上国で生きるか死ぬかの若者には到底できないアドバイスです。詳しくは上記のリンク先を見ていただければと思いますが、「優秀な人に囲まれる事が重要」「無駄なことはやめろ」などとアドバイスしたそうです。。途上国で生きるために必死に働いている人には、縁遠い話でしょう。

私は個人的にバナナマンが好きなのですが、バナナマンの設楽さんは努力するということに対しておっしゃっていたことがあります。それは努力の方向性を間違っていたら成功しない、というものでした。お笑い芸人として成功するために努力は必要だけれども、必要のある努力・正しい方向の努力が必要だとポッドキャストでおっしゃっていたことがあります。全くその通りだと思います。

また努力をするという意味では日本で最もTwitterのフォロワーが多い有吉さんが、テレビ番組で野呂佳代さんにおっしゃっていた事があります。「パチンコの営業・番組でもバカにせず、一生懸命目の前の仕事に全力を出せ」という説教をされていました。目の前の仕事に全力で取り組む、私もその通りだと思います。その後、野呂佳代さんは考え方を改めたのでしょうか、たくさんの仕事がテレビで舞い込んできているそうです。

何らかの仕事について週に100時間こなすことによって、世界トップレベルになれない人もいるでしょう。しかし、なれない仕事もあるし、そもそも努力できない人もいるのではないでしょうか。そして私達日本に住んでいる人もまた、私を含め恵まれているのです。なぜなら仕事を選び、そしてその仕事を続けるかどうかを選べます。100時間やるかどうかを選ぶことも出来ます。就職がダメなら自営業として働くことだってできる自由があります。

途上国でお金のために必死になって働いている人に比べると、どれだけ恵まれているでしょうか。そしてそうやって生活のために必死になって水汲みをしているような人たちは、どんなに努力をしても成功には結びつきません。まさにバナナマンの設楽さんが言っていたように、努力は努力でもその方向性が違っていれば成功への道はつながっていないのです。

さらに野呂佳代さんが有吉さんに言われたように、目の前の仕事に全力を出して取り組むことでよりよい明日への仕事につながる世界に我々はいるのではないでしょうか。我々は努力することができ、その努力を成功に結びつけることができます。それだけ恵まれた世界にいるということは忘れてはいけないでしょう。

努力をすることそのものは賞賛されるべきものだと思います。しかし、方向性が間違っている・無駄であるという場合もあるので注意すべきでしょう。そして世界には努力の先に成功がない人達もいます。我々はあらゆる努力ができるし成功への道につなげることもできます。そういった恵まれた立場にいることは覚えておいていいんじゃないでしょうか。