数日前、元フジテレビの長谷川豊さんが、最近の「女が何か言ったら瞬間的に思考停止して男を叩きまくる風潮」なんとかならないのか?というブログを書いていました。
長谷川さんはブログの中で、スザンヌさんや三船美佳さんの離婚などの報道を見ていると、状況が当事者しか分からない段階で、マスコミが『男が悪い』と決めつけた報道をし過ぎているのではないかと警鐘を鳴らしていらっしゃいました。
私も、確かにその通りだと思いました。報道機関が誰かをバッシングするのなら、裁判などで男の人が悪いという事が断定されるか、独自取材で何らかの証拠がある時だけにすべきでしょう。憶測や当事者の片方の言い分だけを取りあえげて、もう片方をバッシングするなんて、そういう事は井戸端会議のおばちゃんでも任せておけばいいと思います。
でも、そうはいかないのが商業メディアの実情だというのも、ちょっと理解できます。というのは、やっぱり『ニュースに可哀想な女性が登場すると売れる』という法則があるからです。
その理由は簡単です。世界中、どこの国の男性も女性に涙に弱いものです。そして、世界中、どこの国の女性も、『女の敵』の悪口が大好きです。要するに、ニュースに可哀想な女性が登場すれば、それだけで男女構わず世間の関心を惹きつけるのです。
それはニュースに限った事でもありません。名作と呼ばれるお話を見ても、結構な確率で可哀想な女性が作品の中に登場します。いくつか例をあげてみましょう。
昔話なら、
日本の大ヒットドラマなら、
最近ヒットした映画なら、
こうやって、例をあげたら枚挙にいとまがありません。可哀想な女性が登場すれば、『手を差し伸べたくなる男性』と、『敵をいっしょにやっつけたい女性』という大勢の味方が必ず関心を持ってくれるのです。
ニュース制作をしている人は、それを体感的に知っています。だから、その『可哀想な女性のニュース』というフォーマットに当てはめる事が出来そうな話題があると、ちょっとニュースを加工したくなってしまうのだと思います。
そのニュースの加工の一番ひどかったのは、あの悪名高き朝日新聞の慰安婦の誤報記事だと言えると思います。先日、経済学者の池田信夫先生と、私の出した本「朝日新聞」もう一つの読み方の関係で、朝日新聞社員の用語で言うなら”ニュースに角度をつける”という事などについて対談で話してきました。
この対談の時も主張してきましたが、一般のニュースの読者にも、もう少しメディアリテラシーがあった方がいいと思います。
慰安婦のニュースではありませんが、次に安易に誰かをバッシングする様な造りのニュースを見たら、ちょっとニンマリしてください。世の中には、そんなに一方的に糾弾出来るような単純な事ばかり起きません。そのニュースには、きっと裏があるはずです。