「総合スーパー」も実は明暗が分かれている

大西 宏

総合スーパーの決算が出揃いましたが、イオン、イトーヨーカ堂、ファミリーマートとの経営統合協議を始めているユニーといった大手総合スーパー(GMS)がまるで病を抱えてしまったように決算が冴えません。セブン&アイHDは、コンビニのセブン-イレブンが好調で最高益を記録したものの、イトーヨーカ堂は純損益で赤字でした。
「総合スーパー」の惨状はすさまじい ヨーカ堂もイオンもユニーも「同病」 : J-CASTニュース


もう総合スーパー(GMS)は終わったかという印象を持ってしまいますが、その一方で、元気なチェーンもありました。とくに、共同仕入れ機構のニチリウ(日本流通産業)に加盟しているイズミ、ライフコーポレーション、平和堂などの中堅どころの好決算が目立ちます。つまり同じ業態でもやりようだということなのでしょう。

なみに、イズミは2015年2月期の営業収益が前期比4.1%増の5797億円で、営業利益は同4.2%増の303億円。ライフコーポレーションの営業収益は前期比で前期比9.4%増の5850億円で、営業利益はなんと同42.4%増の驚異的な伸びの109億円でした。平和堂も営業収益が前期比3.6%増の4193億円で、営業利益が同6.1%増の141億円となっています。いずれも立派な業績です。

ではどこで差がついているのでしょうか。規模の違いは別にして、目についたのは食料品売上の伸び率です。好調の3社とも、主力となる食料品で既存店売上高の前期比が、ライフ5.0%増、平和堂3.1%増、イズミ3.0%増と伸びているのに対して、イオンGMS2.5%減、ユニーが1.7%減、イトーヨーカ堂は全店の結果ですが、2.5%減でした。好調の3社は食品の粗利率も揃って改善しています。

■既存店食品売上高伸び率(%)

東洋経済がイズミ好調を取り上げ、イオンとの違いは、消費税増税後の対策の違いにあったとしていますが、おそらくそのとおりでしょう。
イオンが増税後に値引きやPB(プライベートブランド)商品「トップバリュ」を強化するなど、価格訴求型で集客を狙ったのとは対照的に、イズミはPB比率 を抑制し、メーカーのNB(ナショナルブランド)や、地域に根ざした地場商品を中心にした、”価値訴求型”で、顧客からの支持を得たことが特徴だ。
イズミ、西日本のスーパーがなぜ好調なのか |  東洋経済オンライン

とくに、イオンについては、商品力が伴わないままにPBを増やしすぎてしまったこと、本部に仕入れ権限が集まってしまい、地域特性にあった柔軟な商品構成ができなかったことが、食品売り場の魅力づくりに失敗したのではないでしょうか。

食料品以外については、もはやGMSは競争力を失い、根本的な変革なり進化を行わない限り将来が見えてきませんが、こう見てみると、食品についてはまだまだ工夫次第で伸ばしていける可能性が見えてきます。
 ただ、そうなると地域密着型のスーパーで特徴があり、元気なチェーンとの競争力が問われてきそうです。なかなか手ごわい相手ではないでしょうか。