JBpressさんの連載で太陽光発電の出力制御に関する議論の状況についてまとめさせていただきました。
国内の太陽光発電市場は昨年末から大きな曲がり角を迎えておりまして、指定電気事業者制度がもはやデファクトになっております。ということで太陽光発電に関しては無制限無補償の出力制御が当たり前になってくるわけですが、その議論が徐々に詰まってまいりましたのでやや長くなりましたがまとめております。
詳細は記事を見ていただければと思うのですが、ポイントとなるのは出力制御の上限付きルール下の事業者と、無制限無補償ルール下での事業者のバランスをどうとっていくか、原発廃炉や蓄電池設置によって生じた接続可能量の空き枠をどのように使うのか、ということになりそうです。
出力制御の技術的な障壁に関しては種子島で実証実験が進むようで来年には解決していると思われるので、大きな流れとしては、①年内に出力制御の技術的実証→②並行して出力制御の制度面の詰め→③早ければ年内、遅くとも年度明けごろから出力制御開始、というような流れとなりそうです。
九州電力、種子島で再生可能エネルギー発電設備の出力制御実験を実施へ
(marketnewsline)
少し書き残したことを補足いたしますと太陽光発電の導入量というのはエネルギーミックスの議論に大きく左右されるのですが、2010年のエネルギー基本計画では再生可能エネルギーは21%とされておりまして、その中で太陽光発電は出力56GWの比率5.6%程度とされております。
しかしながら現状でも認定ベースで太陽光発電は70GWに行っているわけでして、最近のエネルギーミックスの議論でどの程度導入計画が上乗せされ、それに応じて送電網への投資や系統制御技術の発展如何に太陽光発電市場の先行きは大きく左右されることとなりそうです。
私自身も会社で無制限無補償案件を抱える身でして、もはや自力で打開できる状態でもないのでこの辺の議論をかたずを飲んで見守りながら損切りするか前進むか判断するしかなさそうですが、何とか採算が取れるような形で出力制御ルールが決まることを期待しております。
ではではこの辺で。
編集部より:このブログは「宇佐美典也のブログ」2015年4月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のブログをご覧ください。