クールジャパン戦略推進会議に参加しています。
2年前に、官邸でクールジャパン推進会議の下にポップカルチャー分科会が設けられ、その議長を仰せつかりましたが、今回はそれを「戦略」にするという新たな座組です。
参加冒頭、下記のとおりあいさつしました。
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政策の優先度向上、議論より実行、2020年対策、の3つを求めたい。
政府・成長戦略のトップ項目にクールジャパンを据えたいです。
この会議の前身であるクールジャパン戦略会議や知財本部の議論に参加をして、政府と議論を重ねてきています。政府の方向性はよいと思います。が、もう実行の段階。昨年、知財本部のタスクフォースで議論されたこともまだ実行に移されていません。
2020年に向かって、民間は動き出しています。集中的にそれをプッシュすべき時期です。
例えば、民間の事例として、私が携わっているものを2点だけ紹介します。
Tokyo Crazy Kawaiiは、コンテンツと、ファッションと、食の業界が連携して、パリ、台北、バンコクなどの海外にマーケットを作る取組。稲田朋美前大臣がゴスロリでパリの会場を練り歩いてくれた。そのような支援の仕方もある。赤字だが、続ける。
CiPは、港区竹芝にコンテンツの集積地を作る産学連携の構想。研究開発から産業支援まで一気通貫に進める国家戦略特区で、クールジャパンとデジタル技術のショーケースにしたい。東京オリパラの前年、2019年に街開きの計画。
今日お話のある、「もしもしにっぽん」も誘致したいし、音制連のデータベースも置きたいし、ガンダムにも来ていただきたい。
このようなものは他にもたくさんある。こうした、民間の具体的な案件を後押しすればいい。資金提供、規制緩和、ゴスロリで応援、できることはいろいろある。
5~10件のプロジェクトを採択して、この場で肉付けして、集中的に応援する。ヨコ連携で面的に広がる案件を進めるとよい。
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また、「これまでのコンテンツ政策を総括せよ」との質問があったので、下記のとおり答えました。
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コンテンツ政策は20年論議されてきました。この数年は、海外展開とデジタル対策に力が入っています。知財本部では中長期の制度論が中心で、クールジャパン推進会議は即効性のあるテーマを扱っています。経産・総務その他各省でも議論が続いている。
政府が取り組むべきお題目は出揃っていると思います。クールジャパン機構やJ-LOPなどの支援措置も厚くなってきました。
まだ十分でないものは3点あります。
まずインフラ。海外向けテレビchや多言語発信できる環境など。(なお、これについては後日、クールジャパン機構がスカパーと海外配信会社を設立するとの報道があったことを付言します。)
そして、ヨコ連携。コンテンツ、食、ファッション、観光、ロボット、家電など。役所間・業界間の連携は進みつつあるが、まだこれからで、その仕組みが必要。この会議をそのプラットフォームにすればいい。
もう1つは、成果。クールジャパンの取組で「こう成功した」という手触り感のある成功事例。この会議はそれを生み出すキッカケにしなければ。
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さて、そのような成果が出せますかどうか。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2015年5月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。