GEPR更新のお知らせ-中国原子力産業の拡大(6月22日)

GEPR

アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPRはサイトを更新しました。


今週のアップデート

1)「日米中連合製原子炉AP1000」の世界展望

中国の原子力産業の現状はどうなっているのか。永崎隆雄・元日本原子力研究開発機構(JAEA)北京事務所長に寄稿をいただきました。東芝・ウェスティングハウス社の技術、そして大量の中国国内の建設計画、輸出の支援によって、世界を市場に成長が見込めるそうです。

2)自民党、原子力規制の改革に前向き-実現は不透明

原子力規制の改革に、与党自民党が前向きです。原子力規制委員会設置法の施行3年目の見直しが予定される中で、原発立地地域の議員を中心に、党内での意見が固まりつつあるそうです。しかし、世論との関係、党内での慎重意見があり、まだ先行きは見通せません。

今週のリンク

1)気候の転換をめぐるリポート

米国科学アカデミーが今年3月に公表したリポート。原題は「Climate Intervention」。プレスリリース。ジオ・エンジニアリングという工学的な気候変動への対応について、否定的な見解をまとめていることで、話題になっています。

2)ロシアとサウジ、原子力利用協定に合意

ロイター通信6月19日配信(英語)。サウジアラビアが各国と原子力協定を結び、国内に原子炉作りを進めています。売り物の石油を国内で使わず、また将来的な脱石油をにらんでの動きでしょう。またロシアはプーチン大統領が原発輸出を首脳外交の議題にするなど、売り込みに積極的です。

3)太陽光発電の推進は、ドイツを見習え!

澤昭裕国際環境経済研究所所長のブログ。ハフィントンポスト6月20日記事。ドイツは景観、また効率的な投資の規制が行われているのに、日本はなかなかそれが実現していません。

4)「日本核武装論」は机上の空論である

軍事アナリスト小川和久氏。ポリタスの論考。「潜在的核武装技術保持するために、原発の新・増設やリプレースを行い、原発を維持すべき」という議論があります。しかし専門家の分析として、現在の日本では、核武装の体制がまったくできていないという指摘ですし、議論そのものがナンセンスとしています。

5)安保転換を問う 資源の確保 軍事とは結びつけるな

毎日新聞6月22日社説。日本のエネルギー自給率は4%。軍備はその確保のために存在すべきなのに、結びつけてはいけないという驚くべき質の低い議論です。日本のメディアのエネルギーをめぐる議論のレベルを示す材料として紹介します。