Japan is prepared to take measures that allow an understanding that there were a large number of Koreans and others who were brought against their will and forced to work under harsh conditions in the 1940s at some of the sites.
これを岸田外相や菅官房長官は「強制労働ではない」と説明しているが、普通に訳せば”brought against their will”は「意に反して連行され」、”forced to work”は「強制的に働かされた」という意味だろう。これは日本政府が「朝鮮人強制連行」を認めたと解釈されかねない表現であり、朝鮮日報など韓国紙はそう報じている。
戦時中に日本の工場や炭鉱などで働いた朝鮮人労働者は32万人以上と推定されるが、その大部分は募集である。その中には政府が仲介した「官斡旋」もあるが、「徴用工」を国民徴用令で動員された労働者とすると、朝鮮半島には徴用令は戦争末期に適用されただけなので、徴用工は終戦時にわずか245人である。
彼らの未払い賃金などの補償問題は日韓基本条約で決着ずみで、日本政府の経済援助5億ドルの中から韓国政府が払うことになっている。しかし今年6月、韓国の光州高裁は戦時中に朝鮮半島から徴用され、三菱重工業の名古屋の軍需工場で働かされたと主張する韓国人女性や遺族計5人に約1億ウォン(約1100万円)を支払うよう命じた。
戦時徴用は国家による動員なので強制といってもよいが、世界各国で行われた合法的な制度である。朝鮮人労働者の圧倒的多数は募集や官斡旋であり、「多くの朝鮮人が意に反して連行され、強制労働した」というのは事実に反する。それを韓国側が主張するならまだしも、なぜ日本の外務省がわざわざコメントしたのか。
私も1991年に韓国で元労働者にインタビューしたことがあるが、「日本の給料が高いので出稼ぎに行ったが、労働条件がひどく、逃げようとしたらタコ部屋だった」といった証言がほとんどで、「連行された」というコメントは1人もなかった。
河野談話のときも、韓国政府が「請求権は要求しないから強制の事実だけを認めればよい」という妥協案を出し、外務省がそれに乗って「官憲等が直接これに加担したこともあった」という玉虫色の表現にしたことが、その後の大混乱をまねいた。今度の「強制労働」も、三菱重工のような訴訟を誘発するおそれが強い。