ネット上での「マックいじめ」はもうやめよう --- 内藤 忍

マクドナルドの新しい戦略がネット上で話題になっています。「昼マック」を終了し、新たに「おてごろマック」を導入するということです。マックは個人的にはほとんど利用しないのであまり関心がありませんが、「著名ブロガー」の中にはマックの経営戦略に強い興味を持っている人がいるようです。

しかし、そんなマクドナルドをテーマにした記事やコメントを見ていると、ほとんどがネガティブなものばかりです。「戦略が迷走している」とか「久しぶりに行ったらお店が荒れていた」といった内容です。しかし、たまにしか行ったことのないチェーン店に、なぜそこまで執着して否定的なコメントを書く必要があるのでしょうか。マックフリークでも無い人たちが、そんな非生産的な行動に走る理由を考えてみました。

仮説1 マック批判の記事は人気が高く、PVを稼ぐことができる
「マック」「ユニクロ」「スタバ」といったブランドをネタにした記事は読者の注目が高くなります。また、不祥事を起こしたり、経営状態が芳しくない企業を批判する記事は、同調者も多くネット上で注目を集めやすいのです。アクセスランキングなどを気にする人であれば、マック批判は「おいしい」のです。

仮説2 「マック=悪」という先入観があって、ニュースがあると、とにかく攻撃したくなる
ネットで取り上げられる著名企業には「正義」と「悪」というわかりやすい、決めつけをされる傾向があります。ワタミ、マックは「ヒール=悪」の代表企業です。ファストフードで言えば「スタバ=善、マック=悪」といった構図です。このステレオタイプな思い込みによって、マックが何をやっても、とにかく揚げ足取って批判したくなるということです。

どちらにしても、あまり気持ちの良い動機ではありません。

確かに、マクドナルドの日本での経営戦略は間違っていて迷走しているかもしれません。お店も荒れているかもしれません。しかし、自分が愛用しているのでなければ、別に行かなければ良いだけのことです。普段行きもしないお店に、メディアの取材記者のように出かけて、素人目線で経営についてコメントする。「なんだかな~」という気分になります。

そもそも、日本国内の店舗をいくつか見たくらいで、グローバルな飲食チェーンの経営を語るのは無謀です。しかも知識も責任もない経営の素人が評論家気取りで、上から目線でコメントしているのは、何だか滑稽に見えてきます。

マクドナルドだって営利企業ですから、必死に日本の市場での生き残り策を考えて実行しているはずです。子供が弱いものいじめをするようなネット上での「マックいじめ」はもうやめて、静かに見守ってはどうでしょうか。

(写真はタイのシラチャにあったマックですが、地元の人気店のようで、賑わっていました。)

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年10月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。