AirBnBで賃貸利回りが3倍になるカラクリ --- 内藤 忍

ホテルや旅館のように、住宅を宿泊施設として貸し出すAirBnB(エア・ビー・アンド・ビー)ですが、とても気になる存在です。そこで、実際に都内で数軒の物件の運営をしている知り合いの専門家に、私が保有している物件だと、どの位の収益になるか試算してもらいました。

中野区にある100平方メートルを超えるメゾネット(2フロア)物件です(写真)。内装はリノベーションしていますが、畳の部屋もある和風の造りで、築年数も古く、エレベーターの無い3階。そんなハンディだらけの部屋なのですが、専門家の目から見ると「素晴らしい物件」だそうです。

普通賃貸だと月額20万円前後で申込みが入ります。では、この物件をAirBnBで運営したらどうなるでしょうか。あくまで試算ですからやってみなければわかりませんが、かなりのアップサイドが見込めることがわかりました。

<収入>
宿泊料金は4人で1泊2万円、1名追加で3000円
10名宿泊だと1泊38,000円(1人3800円)
これで80%稼働(月24日)なら912,000円

<支出>
管理委託料 宿泊費の20%(182,400円)
光熱費・Wi-Fi 4万円
消耗品(トイレットペーパーなど) 1万円
清掃費用 6万円

さらに初期費用として、ベッド、布団、タオル、シーツ、洗濯機、冷蔵庫、掃除機具などで約50万円かかります。この辺はニトリやイケア、リサイクルショップでコストを抑えるようです。

ざっと計算して、月次の収支は60万円近い金額になりますから、通常の賃貸の3倍です。稼働率が60%に落ちても40万円を超えますから、それでも通常の家賃の2倍です。数か月で初期投資の50万円は回収できてしまいます。

現状、渋谷や新宿のようなターミナルのビジネスホテルは、ツインの部屋で2万円程度が標準になっていますから、宿泊する側からしても、交通の便が悪かったり、フロントサービスが無いなどのデメリットはあっても、半値以下で宿泊できるのは魅力です。特に大家族で長期に渡って旅行することの多い外国人にとっては、コストを抑えられるメリットは大きいのです。

AirBnBの運営側のメリットは、いつでも止められることです。普通賃貸借の場合、入居者を勝手に追い出すことはできませんが、AirBnBは募集をやめて予約が無くなれば、いつでも撤退できます。もしうまくいなかければ、初期費用の50万円が無駄になってしまうだけです。

規制緩和で民泊が認められる方向にあるものの、法律的には旅館業法に抵触するグレーな仕組みと言われるAirBnB。もし自分がオーナーだったら、やってみますか?それともリスクがあるからやめておきますか?

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年10月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。