大手生保さんのご依頼を頂き、中小企業の採用動向についての寄稿の機会をいただきましたので、その文章をご共有。知恵ひとつで、これも流れはかえられると思う。
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中小企業経営者にとって「みぎうで」となる人材確保は、売上アップと並ぶ大きな経営課題だ。景況や人口減少、そして就活時期の後だおしといった影響もあり、昨今採用から、定着・育成といった中小企業の人材確保の課題は厳しさを増しているように感じられる。
▼大手ナビサイトに載る会社はたった1%未満
大学・短大への進学率が60%近くなる中、中小企業にとっても大卒の採用は一般的になりつつある。ところが大卒採用の大きな壁が、知って貰う機会の不足だ。大学生の大手ナビサイトへの登録は90%を越え、ナビサイト中心の就職活動という実態。日本の事業所数は約385万社と言われる中、二大ナビサイトにはあわせて約2万5千社(のべ)の掲載しかない。高額な掲載料がボトルネックとなっており、大学生は実に日本の99%以上の企業と出会うチャンスもないまま、就職活動に取り組まざるせない状況にある。
裏返せば、日本の中小企業の大多数は学生に魅力や存在すら伝えるチャンスもなく採用に課題を抱えているというわけだ。
▼大企業・安定志向は本当だろうか
一方で地域の中小企業と若者の就職実態に関する「岐阜の若者と中小企業の就職白書」(2013年、NPO法人G-net発行)によると、就職活動を終えた大学生4年生の実に89%が、中小企業への就業を視野に入れていると回答している。また、約20項目から仕事選びの基準上位3点を選ぶ設問に対しては、仕事内容75%・やりがい55%・職場の雰囲気31%との答え。大企業安定志向かと思えばそうでもない。実際、給与22%・福利厚生17%・知名度5%となっている。3点の複数回答にも関わらず「給与」が仕事選びの大事な基準だと答えたのは5人に1人しかいない、という事実。安定の象徴ともいえる地銀に就職しても、3年以内に離職する若者が20-30%という事実を見れば、必ずしも大企業・安定志向とはいえないのではないか。
▼中小企業が「みぎうで」を採用するチャンス
中小企業だから採用できないのではなく、その存在や魅力を知ってもらっていないから採用できないだけなのかもしれない。インターネットやSNSが当たり前になったいま、経営者のこだわりや情熱がダイレクトに届く小さな会社の魅力をお金をかけず知ってもらう手段も、新たに出てきた。実際、仕事内容ややりがいに重点をおいた転職サイト「日本仕事百貨」は人気を集めている。SNSを通じて求人情報を発信していくwantedlyや、無料サービスのスタンバイカンパニーなどもある。また、ブログなどを通じた企業情報の発信も費用をかけず知恵一つで、採用に活かすことも可能だ。
また中小企業庁等も中小企業と若者のマッチングを進めている。こうした公的施策も積極的に活用したい。
秋元祥治
NPO法人G-net代表理事・滋賀大学客員准教授・OKa-Bizセンター長
ではでは。
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