白熱灯が消える。そこで少し考えたいこと。 --- 松田 公太


政府・安倍政権は、白熱灯と蛍光灯はエネルギーを多く消費するという理由で、その国内製造と海外からの輸入を2020年度までに禁止することを決定しました。

照明器具では水俣病を踏まえて、水銀を含む電池やランプの製造を2017年から原則禁止にするという方針を既に打ち出しています。

また、蛍光灯と電球型LEDについてはトップランナー制度の導入により、商品化されている製品のうちエネルギー消費効率が最も優れているものを元に設定された基準を満たさないと製造や輸入ができない状況。

基本的には正しい方向に進んでいると思います。

反面、それを何も考えずに受け入れて良いものなのかと吟味癖を我々はつける必要があるのではないでしょうか?

私は(自宅インテリアは適当ですが)店舗の内装には少しこだわりがあります。

電球のまわり全体を明るくする、あの何ともいえない温かみは白熱灯にしか出せません。

ビデオカセットの戦いを思い出します。

今月、ソニーもいよいよベータ型ビデオカセットの出荷を停止すると発表していましたが、それは競争(対VHS)と、技術の進化によってもたらされた結果です。競合によって淘汰されていくならば消費者も納得できますし、時間の経過と共にビデオプレイヤーの買い替えも自然と進みます。

今回の電球のように政府が一方的に禁止した場合の設備代替コストはどうするのかということも気になりますが(ものによってはワット数に制限がありますし、調光機能が使えないものもあります)、私は選択する権利も多少残しても良いのではないかと思います。

その場合は課税を強化する方法があります。最終的に白熱灯ランプの値段がLED以上になっても、使いたい人はいるかもしれません。それは最終的に極少数になるかもしれませんが(レトロな雰囲気を出したい店など)、そこのCO2排出量を気にするなら、もっと他に禁止をするべき製品がいくらでもあります。

このような事に疑問を感じて、時と場合によっては発信することが、国民の選択する権利を守ることに繋がると私は常々思っています。



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編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2015年11月26日の記事を転載させていただきました(アゴラ編集部で画像編集)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。