安倍首相は1年の仕事始めに誰と会ったのか、時事通信社の首相動静に追加情報を加えながら考察を加えてみたいと思います。
<2016年1月4日>(時事通信・首相動静)
・午前8時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
・午前8時34分、私邸発。
・午前8時45分、官邸着。
・午前9時27分から同38分まで、閣議。
・午前10時から同23分まで、記者会見。
・午前10時25分、官邸発。同28分、自民党本部着。
・午前10時31分から同51分まで、党新年仕事始めに出席し、あいさつ。
・午前11時2分から同17分まで、党役員会。同28分、党本部発。同30分、国会着。衆院第14控室へ。同31分から同41分まで、党両院議員総会。
・午前11時51分から同55分まで、同党代議士会。同59分、同室を出て衆院本会議場へ。午後0時2分、衆院本会議開会。同15分、衆院本会議休憩。同16分、衆院本会議場を出て、同17分、院内大臣室へ。
・午後0時52分、同室を出て、同53分、参院本会議場へ。同1時から同8分まで、第190通常国会開会式。同9分、参院本会議場を出て、同12分、国会発。同14分、官邸着。
・午後1時40分、官邸発。同41分、国会着。
・午後1時42分、衆院議長室へ。大島理森、川端達夫正副議長にあいさつ。菅義偉、萩生田光一正副官房長官同席。同48分、同室を出て、同50分、参院議長室へ。山崎正昭議長にあいさつ。菅、世耕弘成正副官房長官同席。同51分、同室を出て参院副議長室へ。輿石東副議長にあいさつ。菅、世耕正副官房長官同席。同52分、同室を出て、同54分、衆院議長応接室へ。同2時、同室を出て衆院本会議場へ。
・午後2時1分、衆院本会議再開。同19分、衆院本会議散会。同20分、衆院本会議場を出て、同22分、参院議長応接室へ。同27分、同室を出て参院本会議場へ。同31分、参院本会議再開。同45分、参院本会議散会。同46分、参院本会議場を出て、同48分、国会発。同51分、官邸着。同3時11分から同26分まで、河井克行首相補佐官。
・午後3時44分から同52分まで、下村博文自民党総裁特別補佐。
・午後4時29分から同58分まで、伊達忠一自民党参院幹事長。
・午後4時59分から同5時13分まで、防衛省の黒江哲郎事務次官、深山延暁人事教育局長。
・午後6時19分、官邸発。
・午後6時28分、東京・赤坂の日本料理店「京都 瓢※(※=口ヘンに喜) 赤坂店」着。秘書官ら官邸職員と食事。
<1月4日の見どころ>
本日は党仕事始め及び本会議開会がありました。そのため、安倍首相の日程としては自民党党本部を訪れた後、国会議事堂で衆参正副議長への挨拶、衆参本会議出席、官邸での執務開始ということになりました。
官邸入りして最初に合った人物は、河井克行首相補佐官(ふるさとづくり推進及び文化外交担当)です。同氏は所掌事務の役割分担は「ふるさとづくりと文化外交」となっていますが、外務政務官と衆議院外務委員長を歴任し、衆議院外務委員長時代に超党派の「日米同盟コーカス」という議連を立ち上げた外交通です。2015年10月に第3次安倍内閣発足後、首相補佐官として米豪印英などを歴訪し、安倍首相が推進する日本の安全保障の新しい枠組みのキーパーソンとなっています。
2人目の下村博文自民党総裁特別補佐(兼特命担当の副幹事長)は安倍首相の精神的な支えとして知られる人物です。安倍首相は昨年の政治資金スキャンダル時も下村氏を守り切りました。同氏は内閣改造に際して文部科学大臣を退いた後も、自民党総裁としての安倍晋三を支える側近中の側近として、官邸と自民党をつなぐ役割を果たしています。
3人目の伊達忠一自民党参院幹事長です。ポケモンにちなんで「ダテチュウ」とポスター等に掲載したユニークな人物として知られています。町村元官房長官が死去された後、同氏は自民党の北海道連会長に就任しており、4月に予定されている北海道衆議院5区における手腕も注目されます。同職の前に自民党参議院国対委員長を務めており、本年に国政選挙が予定されている参議院の国会運営の中心となる人物です。
最後に防衛省の黒江哲郎事務次官、深山延暁人事教育局長と面会しています。防衛事務次官の黒江哲郎氏は防衛政策局長、人事教育局長の深山延暁氏は運用企画局長から昨年10月に昇進したばかりの人材です。黒江氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設における「沖縄基地負担軽減推進のための特別作業チーム」のチーム長を務めた人物。人事教育局は幹部自衛官の人事を所管していることから本年中の幹部自衛官の重要な異動について確認したのではないかと推測されます。
仕事始めの初日、盤石な政権基盤を持つ安倍首相の滑り出しは手堅いものになったように思います。ちなみに、首相秘書官らとの懇親会に使用された赤坂・瓢喜はリーズナブルな昼のランチも提供しており、安倍首相が食事をした店としてサラリーマンの皆さんも利用されてみるのはいかがでしょうか。
渡瀬裕哉(ワタセユウヤ)
早稲田大学公共政策研究所地域主権研究センター招聘研究員
東京茶会(Tokyo Tea Party)事務局長、一般社団法人Japan Conservative Union 理事
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