日本共産党の志位委員長は北朝鮮の水爆実験に関して次のような談話を発表した。
「北朝鮮による核実験の強行は、地域と世界の平和と安定に対するきわめて重大な逆行であり、北朝鮮の核開発の放棄を求めた累次の国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙であり、日本共産党は、きびしく糾弾する。」
どう考えてみても、ここで「逆行」という言葉をつかうのはおかしい。常識で考えれば、「脅威」という言葉こそが相応しいだろう。だが、彼らは「脅威」という言葉をつかえない。何故なら、集団的自衛権の行使に反対する際に、北朝鮮は脅威ではない!と断言していたからだ。
多くの国民が現実を知ると、あたかも北朝鮮の暴挙に対して、当初から反対していたかのように振る舞うが、彼らの論理に従えば、北朝鮮の水爆実験は有り得ないはずだった。何故なら、北朝鮮は脅威ではないと主張していたのだから。
自分たちの空想的な平和主義が誤っていたことは明らかなのだが、絶対に過ちを認めようとしない。
仮に水爆実験まで予見しながら「脅威ではない」というのならば、この人たちにとって「脅威」とは何なのだろうという話になってくるだろう。
誰がどのように考えてみても、今回の北朝鮮の暴挙は平和に対する脅威に他ならない。
こういう平和を乱す国家が存在するから、我が国は安全保障体制を確立すべきなのだ。
脅威に対して目をつぶるのではなく、堅牢な安全保障体制を構築して我が国の国民の生命、財産を守るのが政治の責務だ。
【講演会のお知らせ】
演題「世界の動向~2016年を読む~」
講師 岩田温
冷戦終結後、どのような世界秩序になるのか、今日に至るまで模索状況が続いてきましたが、どうやら、結論は「乱世」となりそうです。迫りくる「乱世」を生き延びるために、日本はどう動くべきか。
・イスラム原理主義を信奉するIS(イスラム国)と諸個人の自由を尊重する自由社会は如何に向き合うべきなのか。
・シーア派とスンニ派の争いはどうなるのか?
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様々な国際情勢を単なる情報の分析ではなく、政治思想、宗教といった根源的な部分から掘り下げて考察してみたいと思います。
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2月 6日 大阪会場 18時15分より(梅田付近を予定。お申込みいただいた方に詳細を返信いたします)
2月13日 名古屋会場 午後3時頃~ (名古屋駅周辺を予定。お申込みいただいた方に詳細を返信いたします)
東京会場は2月末に開催予定です。
編集部より:この記事は政治学者・岩田温氏のブログ「岩田温の備忘録」2016年1月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は岩田温の備忘録をご覧ください。