「本を書きたい」人が手に入れるべき「3つの力」 --- 内藤 忍

アゴラ


「本を出版したいのだけど、どうしたら良いか」という相談を受けることが増えました。確かに、本を書くことによって、自分の世界を大きく変える可能性があることは事実です。

わかりやすく言うと、自分の著書というのは「大きな名刺」です。例えば、初対面の人に名刺交換するだけではなく、自著を渡すことができれば、名刺よりも強い印象を相手に与えることができます。

とは言っても、それはあくまで副次的なメリットです。本を書く目的として何より大切なのは、今まで無かった新しいアイディアを世の中に提供することです。しかし、せっかく良いアイディアを持っていても、それが書籍化されるとは限りません。なぜなら、本が出来上がるためには著者に3つの能力が求められると考えられるからです。

それは「コンテンツ力」「執筆力」そして「出会い力」です。

コンテンツ力とは、本になるための新しいアイディアです。これが無ければ、そもそも本を書く必要が無くなります。

オリジナルなコンテンツと言うと、自分には書くことが無いと言うビジネスパーソンの人がいますが、それは思い込みです。実は書籍化できるアイディアというのは誰でも持っています。問題はそれをどのような切り口で見せるかなのです。平凡な人生しかおくっていないと思い込んでいる人にも、必ずそこから相手に伝える価値がある何かを見つけることができるのです。ここは著者の頭のひねりどころです。

そして執筆力とは、コンテンツを実際に文章にしていく力です。単行本1冊の字数は約10万字ですから、10万字のまとまった文章を最終的に書き上げなければなりません。このブログは、毎日平均1000字ですから、100日分の文章になります。全体の構成が整った、大量の文章を一定期間に書ける人というのはいそうでいないものです。

最後の出会い力というのは、編集者と出会うことです。編集者が企画に賛同し、出版会議でOKが出なければ書籍は制作されません。編集者に会う機会を作り、編集会議を通したいと思わせるような企画書を提案することで道が開けます。

1人でこの3つの力を持っているケースというのは意外に少ないものです。例えばビジネスでユニークな実績をあげているけど、本を書く時間がない。平凡なビジネスパーソンとしてのとても面白いエピソードがあるのだけど、編集者に気が付いてもらえない・・・。

執筆力と出会い力が無い人は、出版塾のようなセミナーに行って、そこでスキルと機会を手に入れるという方法があります。また、書く力を鍛えたいと言うのであれば、ブログを開設して自分で毎日更新を続ける手もあります。継続すれば文章作成のトレーニングになりますし、アクセスが増えてきて編集者からアプローチがあったというケースも実際多いのです。

本を書くというのは、多くの人が思っているより、ハードルが低いと思います。戦略を立てて、計画的に努力をすれば、目標達成はそんなに遠い日のことではありません。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年1月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。