プラットフォーマーの夢を見せることの責任

家入 一真

“もっと稼ぐ”方向でクリエイター支援をやりたがる人多いけど、もしかしたら”生きるコストを下げる”方向での支援の方が本質的なのかもしれないな、稼げない人が大半なのだから。それはある意味セーフティネットにも近いものかもしれない。渋家とかそんな気もする。”もっと稼げ”ないんですよね、大半の人は。プラットフォーマーの責任領域って、もしかしたら広がっていくのかもしれない。

これ使えば稼げますよ、面白いですよ、上手くいかなかったのは才能が無かったのかもね、自己責任ですよ、そこまでは知りませんよ、なんてのは、本当に表現者支援なのか。そこまで責任をプラットフォーマーに求めるのは酷だとしても、夢を見せることの責任に自覚的であるべきだとは思う。

不器用な人が大して面白くもないのにyoutubeやブログやって「これで俺も生きてくんだ」みたいなの見るの、本当に辛い。ああ、夢見ちゃったんだな、と思う。例えその中から一握りのヒーローが生まれるのだとしても、消えていったその他大勢のことを僕らは忘れてしまう。

ちょっと変わるけど例えばTwitterやFacebookの仕様が少し変わっただけで多くの人の思考や行動に気づかない範囲で影響を与えてることや、シャレにならないレベルの炎上が多発していることを見ても、プラットフォーマーは従来の「私たちは場を用意しました、どう使うかはあなたたち次第です」という態度ではあまりにも無責任になってきているのかもしれないなー、とか。

インターネットは広くなりすぎて輪郭を失ってきている。


家入一真
公式サイト http://ieiri.net/


編集部より;このエントリーは、株式会社キメラ代表取締役CEO、家入一真氏のFacebook 2016年1月18日の記事を転載させていただきました。快諾された家入氏に御礼申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。