一億総活躍社会関連予算の目玉事業の一つに位置付けられている「三世代の同居に対応した新築住宅取得促進支援事業」。
これまで数多くの事業を見てきたが、これほど奇妙で、冗談みたいな事業を、私は今まで見たことがない。
なにがそんなにヘンなのか。
新「第二の矢」三世代同居で出生率アップ?
まず、第一に三世代同居を促進するための制度であるにもかかわらず、なぜか「三世代同居であること」が補助の要件になっていない。
そこで、どのような要件を課しているのか石井国土交通大臣に聞いたところ、もっと驚きの答えが返ってきた。
「三世代同居は要件ではない。しかしキッチン、トイレ、風呂、玄関のうち少なくとも2つが、それぞれ2つ以上ついている新築住宅を建てれば、最大130万円補助が受けられる。木造であること。」
……木造でなくてはならないって、意味が分からない。
しかし、これは少子化対策の事業だという。
でも、そもそも木造の三世代同居の家って、女性が喜んで子どもを産む環境なのか?
これは、単なる大きな家を建てることができる「豪華住宅建築支援事業」優遇策じゃないのか?三世代同居は要件になっていないし。
少子化を止めるには複合的的な政策が必要で、単純な施策では対応できない。
教育費が払えるのか不安になっている親が多いのだから、まず、少しでも子どもの教育費へ負担を減らすことが最重要なのではないか。
また共働き家庭が子育てしやすくなる施策なども重要だ。そこに税金を重点配分すべきだ。
この突然出てきた新築住宅取得促進支援事業はダメだと言うと、「野党はいつも反対、反対と叫ぶだけ」とレッテルを貼られる。
しかし、こんな税金の使い方、明らかにダメでしょう。それに、野党がいなくなって反対がなくなると素晴らしい世の中になるのだろうか。
良い政策はもちろん協力して進める。でもダメなものはダメだという議員がいなくなったら日本はどうなってしまうのだろう。
今回のこの予算も、このまま安倍政権の目玉事業として通ってしまうのか。
ただ、ただ、頭をかかえている。。。
編集部より:この記事は、衆議院議員・玉木雄一郎氏の公式ブログ 2016年1月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。