誰も知らないオリンピック・パラリンピック予算総額

玉木 雄一郎

昨年12月、東京オリンピック・パラリンピック関係経費が1.8兆円と、当初予定の6倍に拡大するとの報道がなされた。

そこで、12日の予算委員会で、現時点で経費総額としてどの程度を見込んでいるのか、遠藤五輪担当大臣に質問した。

すると、驚くべき答えが返ってきた。

「現時点で、組織委員会でも政府でも把握していない。」

思わず絶句した。
担当大臣でさえ、どれだけお金がかかるか知らない。。。

あきれて、ものが言えなかった。

では、来年度予算におけるオリ・パラ関連予算の総額くらい分かるだろうと聞いてみたが、これも分からないとの返答。

そんなことはないだろうと迫ったところ、22日になって、ようやく合計167億円という数字が出てきた。ただ、ここには新国立競技場の建設費などは含まれていない。

全体像がよく分からないのだ。

結局、オリンピック・パラリンピックにかかる経費総額を把握している人が誰もいないという状況は何も変わっていない。

こうした無責任で杜撰な予算管理が、予算の膨張を生み出す原因になっているのだ。

そこで、安倍総理に対して、ロンドンオリンピックの際に作られたODA(Olympic Delivery Authority)を具体例として示しつつ、予算総額と全事業のプロセス管理に一元的責任を負う組織横断的な仕組みを作るべきだと提案した。

今のままでは、第2、第3の新国立競技場が生まれてしまうことになる。

政府は、早急に改善策を講じた方がいい。



編集部より:この記事は、衆議院議員・玉木雄一郎氏の公式ブログ 2016年1月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。