アイオワ州党員集会では惜敗した、自称・民主社会主義者のサンダース候補。若者の支持を一身に集め、9日開催のニューハンプシャー州での支持率はCNN調査で61%と1月時点の57%から上昇、クリントン候補の30%を大差で引き離している。
お世辞でもハンサムと言えず、くたびれた老兵といった雰囲気すら漂わせるサンダース候補の支持者は、20代を中心とした若手層である。
1月27日に発表されたキニピアッグ大学の世論調査を紐解くと、クリントン候補との違いは歴然としている。
▽支持率
・サンダース 49%
・クリントン 45%
・オマリー 4%(アイオワ州党員集会後に選挙戦撤退を発表)
▽所得別
5万ドル以上
・サンダース 58%
・クリントン 37%
・オマリー 3%
5万~10万ドル
・サンダース 52%
・クリントン 46%
・オマリー 1%
10万ドル以上
・サンダース 34%
・クリントン 58%
・オマーリー 1%
▽年齢別
18~44歳
・サンダース 78%
・クリントン 21%
・オマリー 2%
45~64歳
・サンダース 39%
・クリントン 53%
・オマリー 4%
65歳以上
・サンダース 21%
・クリントン 71%
・オマリー 6%
▽男女別
男性
・サンダース 63%
・クリントン 32%
・オマリー 4%
女性
・サンダース 40%
・クリントン 54%
・オマリー 3%
▽学歴
大卒
・サンダース 43%
・クリントン 52%
・オマリー 3%
大卒以下
・サンダース 53%
・クリントン 40%
・オマーリー 4%
世論調査結果を踏まえると、サンダース候補の支持者をめぐり以下のポイントが浮かび上がってきます。
1)18~44歳層がメイン
2)高所得者層の支持は低い
3)大卒者は比較的少ない
寄付金の内訳をみても200ドル(約2万3400円)以下が全体の86.3%を占めるはずです。サンダース候補の選挙公約が彼らの心を掴んで離さないためで、1)インフラ整備に向こう5年1兆ドル、2)富裕層向け税比率引き上げ、3)公立大学の無料化、4)公的医療保険の拡大、5)TPP反対(米国内の雇用を圧迫する貿易政策は見直し)――など。他候補と比較して「大きな政府」を明確に打ち出しており、公立大学の無料化はとりわけ注目度を集めていると考えられます。
そんなサンダース候補に、追い風が吹いています。
長寿コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」は、1月26日放映分でサンダース候補のモノマネをしたコントを披露しました。サンダース候補を演じたのは、アメリカで無二の人気を誇るコメディ・ドラマ「Curb Your Enthusiasm」主演のラリー・デビッド氏。コントは大好評で、大いにお茶の間を沸かせたものです。
ご本人より、スマートな面持ちのラリー(右)。
(出所:EPA/YouTube via USA Today)
この波に乗って、サンダース候補もやってくれました。CNNの看板キャスター、アンダーソン・クーパー氏とのインタビューで自ら「私はラリー・デビッドです」と称し、全米の笑いを誘う茶目っ気ぶりを発揮してくれたのです。
#IamLarryDavidは、ツイッターで大盛況!
ソーシャルストリームで瞬く間に広がり、サンダース候補を身近に感じた若手がグッと増えたことでしょう。支持率だけでなく、寄付金アップにつながるのか、サンダース候補から目が離せません。
(カバー写真:Phil Roeder/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年2月5日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。