ヒラリー、対トランプでの優位揺るがず --- 安田 佐和子

スーパーチューズデーの火蓋が切って落とされた1日、CNNが世論調査を発表しました。

CNN/ORCによると、本選での一騎打ちがクリントン民主党大統領候補とトランプ共和党大統領候補であれば、有権者登録した人々のうちクリントン候補の支持が52%と後者の44%を上回りました。1ヵ月前の48%対47%から、その差を広げています。ただし足元の傾向にならい、クリントン候補対ルビオ共和党大統領候補では47%対50%で後者に軍配が上がります。クルーズ共和党大統領候補ですら、48%対49%でクルーズ候補の後塵を排する有様なのですね。

仮にブルームバーグ前NY市長が出馬したケースでは、どうなるのか。クリントンVSトランプVSブルームバーグの結果は、以下の通り。

クリントン 38%
トランプ 37%
ブルームバーグ 23%

大方の予想通り、クリントン候補の票を奪う可能性が示唆されました。

翻って、サンダース民主党候補が仮に本選に出た場合をみてみましょう。

サンダース対トランプ 55%対43%
サンダース対ルビオ 53%対45%
サンダース対クルーズ 57%対40%

有力候補に全て打ち勝つ可能性が現れています。サンダース候補は2月に4200万ドルの寄付金を集め、平均額は30ドルでした。米大統領予備選としては、過去最高記録を樹立したわけです。スーパーチューズデー前にその差を縮めてきたものの、超えられない壁があることも事実。寄付金の勢いが反映されるかは微妙な情勢です。

各世論調査の平均値でクリントン候補は2月29日時点で49.6%、サンダース候補は40%。

(出所:RealClearPolitics)

共和党はというと、スーパーチューズデー前にトランプ候補がまたその差を広げてきました。

トランプ候補は2月29日時点で35.6%(青)、クルーズ候補19.8%(黒)、ルビオ候補17.4%(ピンク)。

(出所:RealClearPolitics)

サム・クロービス氏という空軍経歴を持つ経済学者を参謀に抱えるトランプ候補の予備選勝利に向け、そろそろ米国も世界も準備しなければいけないのでしょうか。

CNN/ORCの世論調査は、2月24~27日に1001人を対象に電話で実施。そのうち920人の有権者登録済みでした。

(カバー写真:brwn_yd_grl/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年3月1日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。